研究分担者 |
伊藤 房雄 東北大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (30221774)
川本 隆史 東京大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (40137758)
徳永 幸之 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (40180137)
野村 希晶 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80125632)
長谷部 正 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (10125635)
|
研究概要 |
前々年度(2002年度)の郡山市郊外農村での「農村の再生」をテーマとしたロールプレイングゲーミング(RPG)の実験で,その合意形成機能(本研究グループではこの機能を地域文脈の想起を評価基準の中心に据えている)を確認したのを受け,本年度は,仙台市北部農村地域(伊豆沼・内沼地域)と仙台市との交流デザインの構築と地域住民を交えた合意形成の可能性を実験的に検討した.RPGは,「都市と農村の交流」をテーマに,より洗練されたものに改良した.具体的には,RPGの代理人を農業経済学専攻の大学院生を採用し,現地調査,地域市民との事前打合せ,研究分担者のアドバイスのもとで地域交流デザインの作成,さらにRPGは公開方式で実施した.実験結果として,前々年度と同様に公的立場におかれた地域住民の地域文脈の想起が確認できた.さらに,代理人と市民の議論の議事録にもとづいたプロトコル分析(発語内行為に着目)では,地域住民の議論の活発化,地域の状況判断的発言から価値判断的発言への移行が確認された.代理人の提案した地域交流デザインは地域住民に好評であり,検討に値するものとして実際に検討することとなった.本結果は来年度のISAGA(国際ゲーミング&シミュレーション学会で公表する予定である. 上記のRPGのしくみは子どもの環境教育にも適用可能であることが,前年度(2003年度)の仙台市郊外の小学校での実験で明らかになったが,この結果についてミュンヘンでのISAGA,東京でのJASAG(日本ゲーミング&シミュレーション学会)で報告した.そこでは,地域づくりと環境教育を融合する場合の地域住民の役割,子ども遊びを支援する地域の大人たちの態度形成などが課題として挙げられた. さらに,東南アジアの都市と農村の交流事例について現地調査を行い,日本で失われた農村の豊かさと都市との交流のスタイルの比較をするための資料収集をした.
|