研究概要 |
本年度は、諸外国におけるクレジット・デリバティブの会計処理について資料の収集および調査を行った。また、保証の会計処理についても調査した。調査対象とした国は、アメリカ、ドイツ、フランス、オランダ、ベルギー、カナダ、オーストラリアおよびニュージーランドである。 これらの国のうち、クレジットデリバティブ特化した会計基準が公表されているのはドイツのみであるが、ドイツ以外の国々においても、他のデリバティブに係る会計基準あるいは会計慣行にしたがってクレジット・デリバティブの会計処理が行われていることが明らかになった。たとえば、アメリカおよびカナダにおいては、デリバティブに係る会計基準の中でクレジット・デリバティブにも言及されている。また、オランダの会計基準は国際会計基準第39号にならっており、クレジット・デリバティブの会計処理もカバーされている。他方、オーストラリアおよびニュージーランドにはデリバテイブの認識・測定に係る会計基準は存在しないが、解釈上、ヘッジ目的ではない場合には、デリバティブはmark-to-marketによって会計処理すべきものとされていることが判明した。 保証の会計については、アメリカおよびカナダにおいて本年度中に会計基準が公表されたが、その他の国では偶発債務・引当金に関する会計処理が妥当するものと考えられている。もっとも,クレジット・デリバティブと保証とは法的性格が異なり,クレジット・デリバティブに係る債務については,引当金を設定する必要牲があると考えられている。
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