• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2005 年度 実績報告書

出芽酵母細胞周期G2からM期への進行制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 14390015
研究機関東京大学

研究代表者

菊池 淑子  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (00138124)

キーワード細胞周期 / G2 / M / SUMO化 / チェックポイントコントロール / 脱リン酸化酵素
研究概要

本年度は出芽酵母細胞周期G2/M期進行に関する以下の2研究テーマについて解析した。
1)スピンドルチェックポイントコントロールに関与する脱リン酸化酵素PP2AのBサブユニットCdc55の機能解析。
M期インヒビターPds1とサイクリンClb2の量を細胞周期を同調した系で経時的に調べたところ、スピンドル脱重合剤ノコダゾール存在下において、cdc55変異株における挙動はbub2変異株と同様であった。Bub2はM期脱出のために必要なTem1-GTPaseのGAPである。Tem1が関与するMENと呼ばれる経路が活性化しているかをその下流で発現するAmn1で調べたが、ノコダゾール存在下では発現していなかった。そこで、Cdc14脱リン酸化酵素の核小体局在を制御しているNet1タンパク質を調べたところ、cdc55変異株では脱リン酸化型が多かった。従って、Cdc55はNet1を間接的に制御し、Cdc14脱リン酸化酵素の核小体からの解放に関与していることが分かった。
2)SUMOリガーゼのドメイン解析。
SUMOリガーゼの一つ、Ull1/Siz1は細胞周期依存的にその局在を核から細胞質のネック領域に変化させ、基質認識の特異性を制御していると考えられる。そこで、904アミノ酸からなるUll1/Siz1タンパク質のドメイン解析を行うため、種々の欠失変異を作成し、それらのリガーゼ活性、局在などを調べた。その結果、リガーゼ活性にはRING様構造を含む中央領域とそれ以外に、隣接するN末端領域PINITドメインも必須であった。これに対し、RINGのC末端隣接領域に存在し、2-hybrid法でSUMOと強く結合するSXS配列はリガーゼ活性に必要でなかった。また、C末端領域を欠くとタンパク質が安定化し、核に局在した。さらに、N末端領域に存在するDNA結合領域と考えられるSAPドメインは核に局在するのに必要であった。従って、RING様構造とPINITがSUMOリガーゼのコアー領域であり、その他の領域はリガーゼ酵素活性化制御というより、局在や、安定性を制御することによって基質認識の特異性などに寄与していると考えられる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] Suppressor analysis of the mpt5/htr1/uth4/puf5 deletion in Saccharomyces cerevisiae.2006

    • 著者名/発表者名
      Ohkuni, K., Kikuchi, Y., et al.
    • 雑誌名

      Molecular Genetics and Genomics 275・1

      ページ: 81-88

  • [雑誌論文] Yeast PIAS-type Ull1/Siz1 is composed of SUMO ligase and regulatory domains.2005

    • 著者名/発表者名
      Takahashi, Y., Kikuchi, Y.
    • 雑誌名

      Journal of Biological Chemistry 280・43

      ページ: 35822-35828

  • [雑誌論文] SIZ1/SIZ2 control of chromosome transmission fidelity is mediated by the sumoylation of topoisomerase II.2005

    • 著者名/発表者名
      Takahashi, Y., Yong-Gonzalez, V., Kikuchi, Y., Strunnikov, A.
    • 雑誌名

      Genetics 172・2

      ページ: 783-794

  • [雑誌論文] タンパク質のSUMO化修飾2005

    • 著者名/発表者名
      菊池淑子
    • 雑誌名

      生化学 77-6

      ページ: 545-551

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi