研究課題/領域番号 |
14390016
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
木下 直之 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教授 (30292858)
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研究分担者 |
月村 辰雄 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (50143342)
姜 雄 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助手 (00334269)
佐藤 健二 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教授 (50162425)
松原 龍一 独立行政法人国立博物館, 京都国立近代美術館, 主任研究官 (40270491)
高野 彰 跡見学園女子大学, 文学部, 教授 (50337474)
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キーワード | 亀井茲明 / 亀井コレクション / 亀井文庫 / 写真史 / 華族史 / 日清戦争 / 染織史 / 明治期留学史 |
研究概要 |
今年度の大きな目標は、現存する亀井茲明コレクションの全体像を把握し、その情報を研究者が共有し、研究の方向性を明確にすることにあった。そのために2回の研究会(9月26日・11月27日)と、3回の現地調査を行った。現物に接することで、コレクションの質と量を認識し、当初の目標は達成できたと考える。 コレクションの主な所蔵先は、島根県津和野市の亀井温故館と東京大学総合図書館の2ケ所である。前者の所蔵品に関しては、亀井家の協力を得て、津和野で3日間(12月22-24日)の悉皆調査を行い、亀井家伝来品の把握につとめた。その結果、亀井茲明に関する文書、同氏撮影の写真についてはほぼ全貌を把握した。ただし、亀井茲明がドイツ留学時に収集し、日本に持ち帰った染織見本のコレクションは、その分量があまりにも大量なため、情報整理の方法開発に着手したところである。また、この調査を通して、亀井茲明の養父であり津和野藩最後の藩主であった亀井茲監の本研究にとっての重要性が視野に入り、来年度の研究に新たな課題をもたらした。 一方、東京大学所蔵の書物については、簡単な書名目録のみが知られていたが、これに書誌データを加えた目録を電子化する作業を進めた。完成は来年度に持ち越したが、ほぼ全貌を把握できた。とくに貴重な図書を実見し、調査する機会を12月6日に設けた。 亀井茲明の旧宅は本年度まで東京小石川に現存していたが、取り壊されることになり、1月17日に現地調査を行った。建物は実兄松ヶ崎萬長の設計による西洋館である。松ヶ崎も亀井と同時期にドイツに留学していたことから、彼の西洋建築研究を本研究の一部に組み入れることとした。
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