研究分担者 |
森村 進 一橋大学, 大学院・法学研究科, 教授 (40134431)
熊谷 次郎 桃山学院大学, 経済学部, 教授 (30047972)
深貝 保則 東京都立大学, 経済学部, 教授 (00165242)
山森 亮 東京都立大学, 人文学部, 講師 (90325994)
齊等 純一 横浜国立大学, 経済学部, 教授 (60205648)
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研究概要 |
3年計画の第2年度の研究計画では、各領域での当該課題の研究状況を確認した第1年度を受けて、本研究課題の特色でもある、それぞれの領域における先端的研究を担っている外国人研究者を招聘しての国際セミナーを可能な限り追及することを主たる目的とした。 まず、ジェントルマン資本主義論で知られるピーター・ケイン教授を英国より招聘した、第5回(前年度より通算)研究集会(平成15年5月25日、同志社大学経済学部)および第6回研究集会(平成15年5月27日、東京都庁第一本庁舎)においては、18世紀初頭以降の「帝国」の拡大と国富の蓄積・分配のあり方がイギリス経済政策史に近代以前から一貫する社会構造と階級利害を反映した問題であることが確認された。第7回研究集会(平成15年11月29日、横浜国立大学大学院国際社会科学研究科)においては、森村進教授(研究分担者:一橋大学)による法哲学分野の報告「リバタリアニズムと分配的正義」のもとに、分配のあり方が公共性を担う社会的正義として合意を得ていない現状と、合意の困難性の根源について示唆的な知見を得ることが出来た。また、第8回研究集会(平成16年1月16-17日、東京都立大学)を、功利主義の確立者ベンサムの経済思想と分配問題に絞った国際セミナーとして開催し、Ken Binmore(英国:経済理論),Annie Cot(フランス:経済思想),Stephen Engelmann(米国:社会科学),Marco Guidi(イタリア:経済理論史),David Lieberman(米国:経済思想史),Douglas Long(カナダ:功利主義思想),Philip Schofield(英国:ベンサム政治思想)および堂目卓夫(大阪大学:経済理論史)、深貝保則(東京都立大学:経済思想史)の6カ国9名の教授による報告と討議により、当該課題の研究で無視されがちなベンサムの先駆性・重要性について再確認するとともに、あと数人の執筆者を加えたベンサムに絞った英語による新たな国際出版計画を決定した。
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