研究課題/領域番号 |
14390023
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
植村 博恭 国立大学法人横浜国立大学, 大学院・国際社会科学研究科, 教授 (70184976)
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研究分担者 |
有江 大介 国立大学法人横浜国立大学, 大学院・国際社会科学研究科, 教授 (40175980)
姫野 順一 長崎大学, 環境科学部, 教授 (00117227)
深貝 保則 国立大学法人横浜国立大学, 大学院・国際社会科学研究科, 教授 (00165242)
森村 進 一橋大学, 大学院・法学研究科, 教授 (40134431)
齋藤 純一 早稲田大学, 政治経済学部, 教授 (60205648)
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キーワード | 分配的正義 / 幸福 / 福祉 / 公共性 / 社会主義 / ベンサム / 功利主 / 国際研究者交 |
研究概要 |
本年度の研究活動は、3年計画の最終年度にあたって経済理論、政治思想、および政策という「広領域」にわたる研究計画全体の総括を展望するとともに、それぞれの領域における先端的研究を担っている外国人研究者を招聘しての国際セミナーを、可能な限り追及するという方針を継続した。 まず、過年度における分配的正義の政治思想、近代社会移行期イギリスの富と分配の政策史、ベンサムと功利主義の社会理論の検討を受けて、現代の分配的正義の実践的イデオロギーとしての福祉哲学に関して、研究分担者・齋藤純一の編著『福祉国家/社会的連帯の理由』の合評会を、第9回(過年度より通算)研究集会として開催した(横浜国立大学みなとみらいキャンパス会議室、平成16年7月4日、)。ここでは、現代福祉国家の正統性が物的財貨の公正な分配と人々の連帯と正義の意識のどちらが欠けても維持され得ないことが明らかとなった。次に、第10回研究集会「幸福と社会科学」を、招聘したルイジーノ・ブルーニ博士(イタリア:ミラノ-ビコッカ大学)、長谷川晃教授(北海道大学大学院法学研究科)および研究分担者・有江大介教授(横浜国立大学大学院国際社会科学研究科)の各報告により開催した(横浜国立大学みなとみらいキャンパス会議室、平成17年2月18日)。これは、富や余暇などを含めた社会における人々の望ましい状況を「幸福」という概念で概括した際に、経済学や法学などの社会科学がそれをどのように扱って来たのか、また扱っているのかについて、アリストテレスに遡りながら検討したものである。 研究計画の終了に際して、当該課題研究で無視されがちなベンサムの先駆性・重要性についての英語による国際出版計画(昨年度に決定)を継続するとともに、今年度までの共同研究を、商業出版を展望した「成果報告書」の形にすることが全体で確認された。
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