研究課題/領域番号 |
14390028
|
研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
平石 明 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (40283486)
|
研究分担者 |
松澤 有希子 豊橋技術科学大学, 工学部, 助手 (10273335)
二又 裕之 豊橋技術科学大学, 工学部, 助手 (50335105)
|
キーワード | 生分解性ポリマー / 窒素除去 / 脱窒細菌 / 固相脱窒プロセス / Diaphorobacter |
研究概要 |
生物学的脱窒法の一つとして固相脱窒法がある。これは脱窒に必要な電子供与体・炭素源として固体の生分解性ポリマーを利用する方法である。これまでの本研究で、細菌の貯蔵物質としても知られているポリヒドロキシ酪酸(PHB)とポリヒドロキシ吉草酸(PHV)の共重合体であるPHBVを電子供与体とする固相脱窒プロセスが、最も硝酸除去性能が高いことが明らかになった。またPHBV固相脱窒プロセスから高い脱窒能力をもつPHB分解性の新規細菌を分離し、新属新種Diaphorobacter nitroreducensを提唱した。しかしながら、PHB馴養固相脱窒プロセスにおいて、実際に脱窒に関わっている細菌の正体については未だ十分に明らかになっていない。そこで、本プロセスの16S rDNAクローンライブラリー解析を行った結果、Betaproteobacteria、特にコマモナス科に属する細菌が優占することが明らかとなった。一方、同時に脱窒遺伝子(nirS,nosZ)のクローンライブラリー解析の結果からは、必ずしもコマモナス科細菌由来とは思われない遺伝子が多数取得された。そこでさらに、PHBV固相脱窒プロセスにおけるPHB非分解性脱窒細菌の計数と同定を行った。その結果、寒天平板法で得られる全生菌数の半数が脱窒細菌として定量された。脱窒の基質としてペプトンと3-ヒドロキシ酪酸(3HB)を使った場合には計数値に差がなかったが、PHBを用いた場合には、それらの1/7〜1/8の菌数となった。得られた脱窒菌の大半は分離培地に関わらず、Betaproteobacteriaに属した。生菌数測定の結果から、PHBV固相脱窒プロセス内ではPHB分解性でない脱窒細菌が数的に優占しており、またその多くが3HB分解性であることが示唆された。
|