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2004 年度 実績報告書

視覚運動協応と視空間知覚の可塑性

研究課題

研究課題/領域番号 14390042
研究機関公立はこだて未来大学

研究代表者

積山 薫  公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 教授 (70216539)

研究分担者 杉田 陽一  産業技術総合研究所, 脳神経情報研究部門, 研究グループ長
キーワード視覚運動協応 / 視空間知覚 / プリズム順応 / fMRI / 発達 / ヒト / サル
研究概要

霊長類の大脳は、多くの機能で反対側支配の機構をもち、視野の右半分は、大脳左半球の第1次視覚野に投射される。このような視覚の神経機構に対して、視野の左右を反転させる実験操作を長期間継続すると、どのような変化が生じるのだろうか。
本年度の取り組みの1番目として、過去2年間におこなったヒトでの実験を発展させた。焦点をあてたのは、右または左の半視野に提示した刺激に対する第1次視覚野の活動が、対側から両側へと変化するかという点と、この神経的変化に対応する知覚的変化の検討であった。37日間、左右反転めがねを連続装着する生活をした3人の被験者で、ファンクショナルMRIによる脳活動の測定と、行動実験による知覚の測定を繰り返し、適応経過を調べた。その結果、2名の被験者において、半視野の刺激に対して両側の第1次視覚野が活動するようになり、その変化に対応して視覚と運動系の再体制化が生じていた。脳活動のデータでは、半視野への刺激を受動的に観察するだけの知覚課題であるにもかかわらず、反転視野への適応が進むにつれて、運動前野、小脳、第2次視覚野、前頭前野などの広範な領野が活動するようになることを確認した。
2番目の取り組みは、ヒトやサルの大人で報告されている反転視野への適応が、幼児においてはより広範で持続性のある変化として生じるのではないかという発達的変化の検討である。ここでは、生後6ヶ月の離乳したばかりのニホンザル2頭に左右反転めがねを装着させ、2ヶ月程度の行動観察をおこなった。特筆すべき結果は、大人のサルやヒトは装着開始時に困惑し、活動性が低下するのに対して、この幼児ザルは装着開始直後からよく動き、視野の変換を大して苦にする様子をみせなかったことである。今後は、幼児ザルでも装着前に容易にトレーニングすることのできる課題を探し、知覚的変化の測定に用いるように展開したい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 反転視野の空間識2005

    • 著者名/発表者名
      積山 薫
    • 雑誌名

      神経研究の進歩 49巻2号

      ページ: 261-271

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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