研究課題
基盤研究(B)
広島・長崎の原爆線量評価体系(DS86)の再評価を日米の共同研究で進めてきた。DS86が決定されてからデータと計算に違いがあることが分かり、その検討のため16回の日米の会合を開催してきた。平成15年1月問題が解決し、パサデナで最終的な合意が得られた。その後、平成15年3月の日米の上級委員会で新しい線量体系(DS02)が決まった。しかし平成15年7月発行のNature誌で、この内のNi-63のデータのみが、日米共に全く知らないうちに、一部の研究者により発表された。このことについて日米で抗議していたが、Nature誌の平成16年7月にその修正が出て、本文の内容が修正され、日本側の著者が追加された。この3年で、原爆ドームの銅の収集やその中に生じた、Ni-63の測定、その他残された課題としてデータの確認、DS02の出版をするための日米の共同作業などを進めてきた。またまとめの研究会を広島だけでなく京大原子炉でも行って残された問題たとえばCo-60の矛盾など検討してきた。これは共同研究でベルギーの研究グループに測定を依頼している。これまでの成果としての特筆事項は、研究代表者の計画による相互比較実験の成功である。(1)Cl-36の測定グループである、米国、ドイツ、長島(日本)と、(2)Eu-152の小村(日本)及び化学分離を行った日本分析センターの実験の取りまとめを行った。試料は18個(11個は被曝、7個は非被曝)を使い比較測定をした。目的は2つあり、(1)1km位より遠距離でユーロピウムがDS86やCl-36のデータより高く出ていることの確認、(2)近距離でDS86がEu-152に比べて高いこと、であった。(1)は実験値が低くなりDS86と一致した。(2)についても高さを20m引き上げることで一致し、これにより広島原爆の中性子の矛盾はほぼ解消した。これらの結果は、DS02として出版の予定である。しかしながらその原稿はほぼできあがっているが、まだ出版には至っていない。今後は個別の論文として雑誌に出版する作業が残っている。
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