研究分担者 |
横山 祐典 東京大学, 大学院・理学系研究科, 講師
五十嵐 厚夫 東京大学, 海洋研究所, 海洋科学特定共同研究員
大河内 直彦 固体地球統合フロンティア研究システム, 地球システム変動領域, 研究員 (00281832)
森脇 喜一 国立極地研究所, 研究系, 教授 (50033501)
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研究概要 |
本年度は,石油公団によって南極大陸周辺からピストンコアおよびグラビティコアで採取した海底堆積物コアの中から,研究対象となる最終氷期まで達したコアの地域と時代を整理し,特に西南極氷床の最終氷期以降の時代をカバーするコアを選別する作業を開始した。選ばれたコアの分析としては,色,堆積構造,テフラを含む一次鉱物,粘土鉱物,粒度組成のような一般的記載とともに,岩屑が氷河性のものであるか氷山に運ばれてきたものかを,岩屑の特徴から,粒度分析の結果とあわせて吟味し,あとで行う融氷を示す地球化学的な分析結果と対照できるようにした。また,陸源性岩屑に含まれる宇宙線照射生成核種を測定するためにアメリカのローレンスリバモア国立研究所で宇宙線照射年代測定を一部行った。一般的記載のあと,代表的な層準から海洋プランクトン起源の脂肪酸の抽出を一部行った。今後、抽出した脂肪酸は,国立極地研究所所有の14Cガス生成装置を用いてグラファイト化し,加速器質量分析計を使用して放射性炭素年代測定および融氷の指標となる脂肪酸の水素同位体比測定を行う予定である。また、これら正確な年代と融氷の指標を柱状図に入れて,正確な南極氷床の融氷期を明らかにするとともに,有孔虫と珪藻の群集組成の解析と酸素同位体比の分析も行い,融氷と海洋環境の変動との関連性も明らかにする予定である。
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