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2002 年度 実績報告書

神経選択的サイレンサーによる神経遺伝子の転写制御

研究課題

研究課題/領域番号 14390060
研究機関国立療養所中部病院(長寿医療研究センター)

研究代表者

森 望  国立療養所中部病院, 長寿医療研究センター・分子遺伝学研究部, 部長 (00130394)

キーワード神経 / 遺伝子 / 転写制御 / サイレンサー / プロモーター / クロマチン / 神経分化 / 基本転写因子
研究概要

本研究は、神経分化および機能維持におけるNRS-NRSF系の意義を理解することを主目的とし、以下の4項目について研究を進めた。
(1)NRSFと転写コア因子の協調作用による転写抑制メカニズムの解析:NRSFとTBPおよび他の基本転写因子との共沈実験について、市販の抗体を購入して結合実験を行った。TBPとRAP30,TFIIBとの結合が比較的再現性よく見られ、特にTBPとの結合は強固と思われた。TBPの部分欠失体との相互作用を検討した結果、NRSFのN末の抑制ドメインRD-1とC末の抑制ドメインRD-2との結合様式について大まかな理解が得られた。また、NRSFとTBPの相互作用がNRSFによる転写抑制に必須であることも確認した。(Murai et al.,投稿準備中)。
(2)NRSFドメイン構造および転写抑制ドメインの立体構造解析:NRSFのRD-1,RD-2領域の立体構造を決定するために、各ドメインを大腸菌で大量調製し、NMRによる構造決定を共同研究先へ依頼した。予備実験の結果、構造が不安定で決定しづらい状況だったので、N末についてはmSin3のPAHドメインとの複合体としての解析を試みることとし、mSin3のPAHドメインの発現も行った。
(3)NRSFターゲット遺伝子群(NRSレパートリー)の解析:主に心臓で機能するBNPペプチドの遺伝子制御にもNRSFが関与する結果を得た(Ogawa et al.,2002)。これは非神経組織でのNRSFの多様な作用を示唆するものである。ヒトゲノム中のNRSターゲットの探索は継続進行中である(森ら、未発表)。しかし、一部、カテコラミン系神経関連遺伝子の制御について論考を加えた(Mori,2002)。また、NRSを用いて神経特異的な遺伝子導入発現を可能とするアデノウイルスベクターを構築し、神経機能解析に応用した(Honma et al.,2002)。
(4)NRSFおよびNRnV/REST4の神経分化における役割の解析:in vitroでの神経分化に伴って、NRSFとそのバリアントNRnVの相対的な割合が変動する傾向があるが、初代培養神経細胞で神経栄養因子BDNF投与後の応答を比較した結果、NRnV/REST4の相対量比の変動を認めた(Tabuchi et al.,2002)。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Mori N, Mizuno T, 他3名: "Effect of age on the gene expression of neural-restrictive silencing factor NRSF/REST"Neurobiol. Aging. 23. 255-262 (2002)

  • [文献書誌] Ogawa E, Saito Y, 他12名: "Fibronectin signaling stimulates BNP gene transcription by inhibiting neuron-restrictive silencer element dependent repression"Cardiovasc. Res.. 53. 451-459 (2002)

  • [文献書誌] Tabuchi A, Yamada T, 他4名: "REST4-mediated modulation of REST/NRSF silencing function during BDNF gene promoter activation"Biochem. Biochim. Res. Commun.. 290. 415-420 (2002)

  • [文献書誌] Hanma M, Namikawa K, 他5名: "Developmental alteration of nerve injury induced glial cell line-derived neurotrophic factor (GDNF) receptor expression is crucial for the determination of injured motoneuron"J. Neurochem.. 82. 961-975 (2002)

  • [文献書誌] Nakamura T, Komiya M, (他6名): "Grit, a GTPase-activiting protein for RhoA and Cdc42, regulates neurite extension through its association with TrkA receptor and N-Shc, CrkL/Crk adapter molecules"Mol. Cell. Biol.. 22(24). 8721-8734 (2002)

  • [文献書誌] Mori N, Morii H: "SCG 10-related neuronal growth-associated proteins in neural development, plasticity. degeneration and aging"J. Neurosci. Res.. 70(3). 264-273 (2002)

  • [文献書誌] Mori N (分担執筆): "Catecholamine Research : From Molecular Insights to Clinical Medicine"Nagatsu T and Nabeshima T (編集) Kluwer Academic/Plenum Publishers (出版社). 558 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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