研究課題/領域番号 |
14401003
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
宗教学
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研究機関 | 愛知学院大学 (2004-2005) 国立民族学博物館 (2002-2003) |
研究代表者 |
立川 武蔵 愛知学院大学, 教授 (00022369)
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研究分担者 |
長野 泰彦 国立民族学博物館, 教授 (50142013)
石井 溥 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (90014513)
森 雅秀 金沢大学, 文学部, 助教授 (90230078)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2005
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キーワード | ヒマーラヤ / ネパール / カトマンドゥ / タントリズム / 密教 / チベット / 仏教 / 祖先崇拝 |
研究概要 |
チベット密教の最も重要なマンダラ・コレクションはゴル・コレクションであるが、これまでに2版が出版されていた。我々は第3の版のフィルムを入手し、カトマンドゥのVajra Publicationsから平成18年3月に複製版をA Ngor Mandala Collectionとして出版することができた。このフィルムのマンダラ・コレクションはローケーシュ・チャンドラが1967年に出版した白描マンダラのオリジナルであることが判明した。 カトマンドゥ在住の仏教僧が描いたインド後期仏教タントリズムのマンダラ集成『ニシュパンナヨーガーヴァリー』に含まれる26種類のマンダラの白描(60cm×60cm)を入手し、サンスクリットテキストと照合し、テキストと相違する点はその仏教僧と討議の末、校訂しマンダラ図集成を作成した。この成果はBuddhist Mandala Deitiesとして成果報告書に発表された。 バリ島のバトゥワン地区の3つの寺院の構造と儀礼に関する調査を行う一方で、バリの宗教における祖先崇拝とシャマニズムの要素を調査した。バリのヒンドゥイズムおよび仏教における「上部構造」と「基層構造」との関係は、ヒマーラヤの仏教タントリズムにおけるかの両者の関係と並行関係にあることが分かった。寺院構造に関する調査の成果はHindu Temples in a Village of Baliとして成果報告書に発表した。 分担者森はラダック地方ヘミス寺の八十四成就者図に関する研究をさせ、インド密教とチベット密教との接点を見出そうと努めた。その成果は報告書「ラダック地方ヘミス寺の入十四成就者図」として発表。分担者石井はカトマンドゥにおける女神崇拝の研究を通じて、仏教タントリズムとヒンドゥー教との接点を探った。その成果は報告書「カトマンズ盆地の村落における「ビシュヌデビ』女神とその祭祀」として発表することができた。 総括担当の立川は宗教を個人的な宗教行為と集団的宗教行為に別け、「聖なるもの」、「俗なるもの」「浄なるもの」「不浄なるもの」などの基礎概念を設定して、仏教タントリズムの構造分析をおこなった。その成果は『聖なるもの俗なるも』(講談社2006年3月)として出版した。
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