研究課題/領域番号 |
14401007
|
研究機関 | 国立教育政策研究所 |
研究代表者 |
鐙屋 真理子 (一見 真理子) 国立教育政策研究所, 国際研究・協力部, 総括研究官 (20249907)
|
研究分担者 |
丹羽 孝 名古屋市立大学, 人文学部, 教授 (10113325)
澤野 由紀子 国立教育政策研究所, 生涯学習政策研究部, 総括研究官 (40280515)
橋本 昭彦 国立教育政策研究所, 教育政策・評価研究部, 総括研究官 (80189480)
山本 登志哉 共愛学園前橋国際大学, 国際社会学部, 助教授 (60221660)
汐見 稔幸 東京大学, 大学院・教育学部, 助教授 (70146752)
|
キーワード | 早期教育 / 東アジア / 国際研究者交流 / 中国 / 韓国 / シンガポール / 台湾 / 香港 |
研究概要 |
1.本科研初年度は、研究会を計3回(8月、9月、2月)、韓国ならびにシンガポールの専門家への国内でのインタビュー(8月)を実施し、海外現地調査を計5回、のべ8名が行った(10月:中国上海、11月:中国廈門、2〜3月中国:北京市・昆明・西双邦納・西安、3月:シンガポール、韓国:ソウル)。(台湾ならびに香港については次年度以降実施)。 2.早期教育問題がマスコミや専門家によって大きく取り上げられ、対応策を講じようとしている韓国のケースについて、カウンターパートの専門家から提供された文献の翻訳を中心に、中間資料集『韓国における早期教育の現状と課題 資料と解説』をとりまとめた。内容は、韓国で臨床の立場から早期過熱教育がひきおこす問題への警告と提言を行った「賢い親は子どもをゆっくり育てる」と2002年度の幼児教育政策研究課題「創造的で全人的な人的資源養成のための幼児教育革新」とである。後者は、韓国の幼稚園と家庭における早期・特技教育の現況と問題を調査した本格的なはじめての政策研究報告書である。 3.中国調査は主に2つの方向で展開しようとしている。ひとつは早期教育に関する政策、研究動向、実態把握といった所定の計画に沿うもの。もうひとつは、「東アジアの早期教育」をとらえる場合に、儒教文化・科挙とその正負の遺産が大きな共通要素ゆえに、それを相対化するためにも儒教圏以外の少数民族の子育て文化を可能なかぎりみるというもので、この視点は引き続きフォローされることとなった。 4.シンガポールは多民族・多文化の知識基盤型社会であるため、早期から言語コミュニケーションスキルをつける必要があり、「早期知育当然・肯定観」が根強い。その反面、遊びを通じたバランスよい発達を促す必要性も認知されるようになり、2003年より発効した初のナショナル幼児教育カリキュラムもその方向に沿うものであることがわかった。
|