研究課題/領域番号 |
14401019
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研究機関 | 国立民族学博物館 |
研究代表者 |
竹沢 尚一郎 国立民族学博物館, 博物館民族学研究部, 教授 (10183063)
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研究分担者 |
坂井 信三 南山大学, 文学部, 教授 (00140012)
仲谷 英夫 香川大学, 工学部, 教授 (20180424)
中野 尚夫 島根大学, 生物資源学部, 教授 (20304256)
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キーワード | 歴史人類学 / 考古学 / ガーナ帝国 / 栽培作物の起源 / 長距離交易 / 西アフリカ / 鉄製造 |
研究概要 |
本年度には本研究の第一年度であるため、平成14年7月に国立民族学博物館で研究会を開催して、問題意識の共有と、これまでに現地でなされた考古学的・歴史人類学的研究の総括を行った。 11月より、竹沢、中野、仲谷の3名が西アフリカのマリに行き、現地の海外共同研究者であるテラバ・トゴラとともに、マリ北部メマ地区での考古学発掘に従事した。この地域は、過去のガーナ帝国の一部であるが、ここでの発掘は3名の帰国後も後続して行われ、竹沢が再度平成15年2月にマリに行くまで続けられた。また、中野はこれと平行して、マリ北部の乾燥地における農業の実態について研究した。 本年度中に数ケ所の遺跡で行った発掘調査により、この地域における新石器時代から鉄器時代への移行のおおよその年代と、それを促した環境変化についての理解が得られた。また、新石器時代にすでにフォニオという穀物の栽培がおこなわれ、小型のウシ、羊/山羊などの飼育がおこなわれていたことも確認された。そして、数体の人骨の発見にともなう副葬品の分析により、初期にはローカルな製品である鉄を用いた腕輪、腰飾り、貝製のビーズなどが、そして後期には遠距離交易品である同の腕輪が出土することが確認された。 年代の測定はまだであるが、以上の発見により、この地域における農耕の起源、遠距離交易の実態、鉄などの手工業の発展などについて、まとまった理解が得られた。
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