研究課題/領域番号 |
14401021
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研究機関 | 東北学院大学 |
研究代表者 |
榎森 進 東北学院大学, 文学部, 教授 (10145972)
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研究分担者 |
細谷 良夫 東北学院大学, 文学部, 教授 (50042164)
佐川 正敏 東北学院大学, 文学部, 教授 (40170625)
麓 慎一 新潟大学, 教育人間科学部, 助教授 (30261259)
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キーワード | 列島北方地域 / アムール川流域文化 / 民族 / 交易 / 文化変容 |
研究概要 |
本研究の目的は、「列島北方地域」に展開した歴史の特徴を「民族」・「交易」・「文化変容」というキーワードを基にして、「アムール川流域文化」圏に展開した歴史との相互関連を解明するところにある。この目的を達成する為に、平成16年度に研究代表者と研究分担者(研究協力者を含む)が共同で実施した諸調査と、それによって得られた知見は以下の通りである。 1、元朝・明朝・清朝の東北地域諸民族政策に関わる現地調査と、それによって得た知見。 平成15年度は、主にアムール川下流域に居住するナナイ民族とウリチ民族の調査を実施したので、平成16年度は、海外共同研究者である大連大学中国東北史研究中心・主任・王禹浪教授の協力を得て、元代・明代・清代における各王朝の中国東北地域及びアムール川下流域の諸民族に対する政策に関する史跡の調査と現在主に黒龍江省内に居住するナナイ民族(中国名「赫哲族」)に関する現地調査を実施した。調査期間:平成16年8月6日(金)〜8月17日(火)。 調査期間の前半は、主として東三省(遼寧省・吉林省・黒龍江省)の関係史跡及び主要博物館の調査を行った。遼寧省では、旅順博物館・藩陽故宮博物館・遼寧省博物館・東陵・新楽遺跡、吉林省では龍潭山公園及び明朝の造船所跡である船廠博物館や吉林博物館を調査すると共に、吉林市の北華大学古籍所所長・鄭毅教授より中国東北史関係の文献史料に関して聴き取り調査を行った。次いで黒龍江省哈爾濱市では、黒龍江省博物館・黒龍江省民族博物館・黒龍江省考古研究所を調査し、黒龍江省民族研究所では主に黒龍江省内に居住しているナナイ民族(赫哲族)の現状について聴き取り調査をした。しかし調査期間が不足した為、残念ながらナナイ民族(赫哲族)が居住している同江市迄行くことは出来なかった。その後、平成17年1月、ウラジオストクのロシア科学アカデミー極東支部歴史・考古・民族研究所に行き、同研究所で発掘したチルの永寧寺跡の出土遺物を調査し、同年3月、蘇州・杭州で絹織物の歴史と現状を調査した。その結果全体として元朝・明朝・清朝のアムール川下流域の諸民族に対する政策の特徴をより具体的に把握することが出来た。
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