研究課題/領域番号 |
14401024
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
私市 正年 上智大学, 外国語学部, 教授 (80177807)
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研究分担者 |
小林 寧子 南山大学, 外国語学部, 助教授 (60225547)
川島 緑 上智大学, 外国語学部, 助教授 (50264700)
清水 学 宇都宮大学, 国際学部, 教授 (60282373)
東長 靖 京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 助教授 (70217462)
栗田 禎子 千葉大学, 文学部, 助教授 (10225261)
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キーワード | 民衆運動 / イスラーム教育 / コーラン学校 / プサントレン / 宗教運動 / シャリーフ / NGO |
研究概要 |
本年度の研究・調査の実施概要と得られた成果は以下の通りである。 先ず、本課題に関連する従来の研究成果を確認するため、基礎文献目録「イスラーム地域における<民衆と宗教運動>関連文献目録」(392点を採録)を作成した。 私市はモロッコにおけるコーラン学校(ジュマア、ムスィード)の調査と関連資料の収集を行った。東長はエジプトにおいて聖家族=シャリーフ(ムハンマドの子孫)の聞き取りと史料調査を行った。赤堀、小牧、小林は、それぞれエジプト、イラン、インドネシアにおいて、スーフィー教団とプサントレン(伝統的イスラーム教育機関)を調査し、あわせて史料による歴史的背景の分析を行った。清水はマレーシアの経験が中央アジアの国民統合にどの程度有効かを調べるために、サラワクとサバでの聞き取り調査を行った。川島はフィリピンにおける平和運動団体と宗教のかかわりについて調査、分析を行った。栗田は民衆運動と政治文化についての基礎データの整理を行った。 新たな知見については、第一にモロッコのコーラン学校は単なる補助学校ではなく、民衆レベルでイスラーム復興の担い手になっていること、第二に1991年ころから始まったエジプトの聖家族=シャリーフの再組織化は政権のイスラーム政治運動対策の一環であること、第三にインドネシアのプサントレンに集う人々とNGO活動家との重なりがみられるが、それはインドネシアのNGO活動が伝統的価値観の強い影響下で育っている証拠であること、を明らかにしたことである。
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