研究分担者 |
木庭 元晴 関西大学, 文学部, 教授 (40141949)
高橋 誠一 関西大学, 文学部, 教授 (00025082)
山岡 泰造 関西大学, 文学部, 教授 (50067576)
中谷 伸生 関西大学, 文学部, 教授 (90247891)
藪田 貫 関西大学, 文学部, 教授 (80027987)
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研究概要 |
平成14年度の調査では,マヘート遺跡を囲遶する城壁を中心に現況の地表面観察を進め,王宮地区を囲繞する城壁および城壁に設けられた城門構造の把握を進めました。 その結果,城壁各所で現地表面と城壁頂部との比高差は一定ではなく,遺跡西北部では城壁内部との比高差が高く(5m以上),遺跡南半部から東半部では現地表面と城壁頂部の比高差が3m未満であることが判明しました。この観点を遺跡内の踏査や発掘調査の成果と照らし合わせると,遺跡北半部では西暦紀元前後で広範な居住活動が停止しているのに対し,遺跡南半部では西暦紀元後3・4世紀ごろまで継続的に居住活動が続けられていた事情と関連しているものと推測できます。すなわち,城壁によって囲まれた都市遺跡内部で北半部と南半部では大きく利用形態,あるいは利用時期が異なっている可能性を示唆していると推定できます。 また,現在は城壁各所に切り通しが認められるが,そのなかで確実に城門であることが判明するのは6ヶ所であることを確認しました。そのうち5ヶ所は遺跡の南側から西側にかけて位置しており,東側は1ヶ所のみです。かつて遺跡の東側にはラープティー川(古名アチラヴァティー川)の河道が存在し,その河道に遺跡の平面形が規定されたと考えられてきたが,遺跡東側には大規模な城門が1ヶ所しか認められないことから,この仮説を傍証するものと考えられます。今年度は,これらの城門のなかで遺跡の西側に位置し,都市の主要門の一つに推定されるタマリンド門の測量調査を中心に実施しました。
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