本年度の研究目的は、DV被害者が必要としている医療機関における援助を提供することができる看護職者育成のための、指導者のためのDV防止・支援プログラムの開発とそれを用いた実際を評価することにある。 平成14〜15年度で、マサチューセッツ州のDV防止・支援プログラムによる看護教育の現状の把握、質的ニーズの解明、我が国に適応するために調査研究による検討の結果、日本版DV防止・支援プログラムの開発を開始した。 そこで、このプログラムを用いて、日本の主要な箇所(東京・大阪・福岡、旭川)で、教育者、指導者のためのトレーニングを開催した。のべ200名弱の参加者に、開発プログラムを用い、試験段階であることを説明し、調査協力を得て、その後の改正版にも参加することとなった。受講した200名弱の看護職者は、自分たちの職場で、その開発プログラムを用いて、学生または看護師を対象に実施し、結果をアンケート用紙で返信、その結果を次年度に測定、分析し、改正版を開発する。同時にアメリカで広く用いられているマニュアルを邦沢・出版することで既成のプログラム紹介を行った。 本年度は主に、DV防止・支援プログラムを用いた教育現場での有効性を明らかに検討を重ねた。次年度は、改正版を開発し、そのプログラムを教育現場で学生を対象に、卒後教育として現任看護師を対象に、広く一般的に用いられることでケア受益者、提供者の双方に寄与する。
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