本年度の研究目的は、保健医療関係者のためのDV解決・支援プログラムの評価から明らかになった開発プログラムの修正や改編し、最終版としての日本版DV解決・支援プログラムを開発し、普及することにある。 平成16年度からはじめた開発プログラムの効果測定を行い、このプログラムの妥当性と信頼性の検討を実施した。日本の主要な4ヶ所で教育者、指導者約100人を対象にしたトレーニングセミナーで、開発プログラムを用いて受講後の知識・認知・行動の変容とその項目について調査し、分析した結果、ほとんどの項目に高い理解度を示したが、一部内容の見直しも明らかになった。また受講者によるセミナーに用いるキットや方法についての調査では、教材・メディア・パワーポイントなどさまざまなものが有用であることがわかり、一部方法の見直しも明らかとなった。さらに受講者は、自身でセミナーや授業を企画・実施し、受講した際用いたキットでの評価を得た。また実施した教員指導者によるグループ・フォーカス・インタビューによって具体的な内容検討を行った。結果プログラムの有用性を保障するものであったが、時間配分などの一部の見直しが明らかとなった。 アメリカで用いられているいくつかのプログラムを、日本版に作成し、試行を重ね、全国の教育者、指導者の評価から最終版としての「DV解決・支援プログラム」を開発・作成、活用方法を含め、普及版としてのプログラムを完成させた。これらは、CD-Rにおさめ、またホームページ上にPDFとしてリンクさせ全国の保健医療関係者の活用をめざす。
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