研究課題/領域番号 |
14402001
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
馬居 政幸 静岡大学, 教育学部, 教授 (30126768)
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研究分担者 |
唐木 清志 静岡大学, 教育学部, 助教授 (40273156)
阿部 耕也 静岡大学, 生涯学習教育センター, 助教授 (30212541)
外山 知徳 静岡大学, 教育学部, 教授 (40013213)
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キーワード | 日本文化開放 / 青少年文化 / 大衆文化 / インターネット / 世代間格差 / 相互理解教育 / 韓国社会 / 社会変動 |
研究概要 |
本調査研究に先立って実施してきた日本文化開放とその背後の社会構造変動による青少年の意識と行動への影響に関する調査をふまえた新たな3年計画の2年度として、次の3種の調査を実施した。(1)日本文化開放政策の進行に伴う韓国青少年の意識と行動の変化把握のためのソウル市、大田市、釜山市での継続・発展調査。(2)日本理解・批判に関係する多様な学習機会等の青少年への影響とその社会的文化的基盤解明のための学校外教育・学習機関等への調査研究。(3)日韓の相互理解教育のプログラム開発のための調査研究。 その結果、昨年度調査で確認したワールドカップを契機に好転した日本評価がより一層高まり、日本文化開放プログラムの再開・進行に伴い、日本との距離はかなり縮小していることを実証的に明らかにした。特に青少年の日本理解において質的な変化が生じていることを見出した。たとえば、小・中・高校生対象の継続調査と新たな教育課程・学習機会等の調査結果の分析から、漫画、アニメ、ゲームに加えてJポップと称される日本歌謡がインターネットを通じ日常的に摂取されることを典型に、日本文化を特別視せずに韓国文化と区別なく選択する意識が形成されていることを確認した。さらに、20歳代以下の青少年の間に伝統的な儒教倫理や歴史認識から自由な価値意識や行動様式が共有される一方で、年長者との世代間格差が世論を二分する対立点にまで拡大していることも把握した。また、このような変化を踏まえて、日韓相互理解教育プログラム開発において、旧来の両国の歴史認識の相違や文化的差異の理解に加えて、高度情報社会における自己形成と他者認識という両国青少年に共通する問題を加味する必要性があることを明らかにした。また、上記調査過程で行った韓国第7次教育課程の実施状況の調査結果に基づき、初等学校低学年統合教科と初・中・高校の社会科ならびにITC(情報コミュニケーション技術)教育の特徴と課題を日本の教育雑誌等に発表し、関係者の評価を得た。
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