研究課題/領域番号 |
14402002
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
久塚 純一 早稲田大学, 社会科学総合学術院(社会科学部), 教授 (90037086)
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研究分担者 |
岡沢 憲芙 早稲田大学, 社会科学総合学術院(社会科学部), 教授 (60063773)
篠田 徹 早稲田大学, 社会科学総合学術院(社会科学部), 教授 (60196392)
畑 恵子 早稲田大学, 社会科学総合学術院(社会科学部), 教授 (60164836)
藤井 浩司 早稲田大学, 政治経済学術院(政治経済学部), 教授 (30199278)
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キーワード | NPO / 行政 / 市場 / 市民社会 / 福祉 / 国際比較 / 政策 / 公共 |
研究概要 |
平成16年度の研究は、各国のNPOの概念を再検証し、3年間の研究をまとめることに重点を置いた。久塚は日本とフランスについて研究した。日本については、法人格を有しない団体、法人格を有するNPO、NPOを管轄している行政にヒアリングを行った。日本においては、NPOが政策形成に及ぼす影響は、法人の制度や税制がネックとなり、まだ大きなものとなっていないが、キーパーソンやネットワーク機能を有する機関が存在している場合は、NPOの機能が発揮され、行政とのパートナーシップが形成されていることがわかった。フランスについては、アソシアシオンが活動しやすい環境が整っており、アソシアシオンが政策形成に大きな役割を果たしていることがわかった。岡沢は、スウェーデンのNPO概念が、国の役割との関係で不明確であることを前提とし、実態として存在している人々の連帯を対象として、進行する市場化に苦慮している現実について研究した。篠田は、アメリカにおける地域障害者ガバナンスにおけるNPOについて、個別研究にとどまっていた分野についての類型化と機能分析を試みた。畑は、メキシコのNPO・NGOについて、市民組織の政治的変容へのかかわりを念頭に置き、福祉レジームと貧困削減政策との関係について研究した。藤井は、第三の道の方向性とNPOとの関係について研究した。 3年目の研究によって、(1)伝統的な民間団体とNPOのような新しい民間団体との間の緊張関係は、各国で異なっていること、(2)緊張関係は政策分野で異なっていること、(3)分野ごとの差異は、国に期待される役割との関係で、歴史的に異なっていること(4)しかし、各国共通に、NPOへの期待が高まっており、それらの今後は、主に、法人に関する制度と税の制度が鍵を握っているであろう、ということがわかった。
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