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2003 年度 実績報告書

1990年代半ば以降のイスラーム世界におけるジハード理論の変容と実践の研究

研究課題

研究課題/領域番号 14402008
研究機関東京外国語大学

研究代表者

飯塚 正人  東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教授 (90242073)

研究分担者 中田 考  同志社大学, 神学部, 教授 (40274146)
近藤 信彰  東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教授 (90274993)
黒木 英充  東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教授 (20195580)
山岸 智子  明治大学, 政治経済学部, 助教授 (50272480)
キーワードジハード / ウサーマ・ビンラーディン / イラク占領 / 自衛隊 / スンナ派 / シーア派 / 国際情報交換 / 多国籍
研究概要

本研究の主たる目的は,1990年代半ば以降のイスラーム世界におけるジハード理論の変容,具体的には「防衛ジハード」の戦場を米国本土にまで広げ,一般市民をも攻撃対象とするウサーマ・ビンラーディン独自の理論が受け入れられた過程と,この理論を実践しようとする諸組織の実態について体系的な分析を行うことにある。この目的を達成するため,2年度目にあたる本年度はアラブ諸国を重点調査地とし,研究代表者と2人の研究分担者がそれぞれエジプト,シリア,イエメン,バハレーン,UAEで現地調査を行った。またイラク占領下でのジハードに関する隣国イスラーム主義者の見解を聴取するため,イランとトルコでも2人の研究分担者が調査を実施している。エジプト,シリア,トルコ,イエメン,UAEでは,スンナ派の現代ジハード理論に関する資料収集と聞き取り調査を行ったが,特にエジプトとシリアでは研究分担者の中田が両国の最高ムフティー(イスラーム法判断の権威)アリー・ジュムア師,クフタロー師と面談し,イラク占領軍に対するジハードは義務である旨の見解を得た。一方,自衛隊に関する両ムフティーの見解は,派遣の意図がどうあれジハードの対象になるという意見と,占領でなく人道支援を意図して派遣されるのであればジハードの対象にはならないという意見とに分かれている。ほかに,イエメンでは昨年度に引き続き,フランス考古学・社会科学研究所フランソワ・ブルガ所長と短期間ながら同国におけるジハード実践に関する共同調査を行った。さらにシーア派12イマーム派の現代ジハード理論については,昨年度からの継続調査地であるイランに加え,バハレーンでも資料収集と聞き取り調査を実施している。なお,当初計画していたサウジアラビアでの現地調査は,イラク占領下の混乱が波及し治安情勢が悪化したため,延期を余儀なくされたが,来年度以降,状況が好転し次第,実施する予定である。

  • 研究成果

    (18件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (18件)

  • [文献書誌] 飯塚正人: "ふつうのムスリムを敵に回さないために"現代思想. 31-5. 156-161 (2003)

  • [文献書誌] 飯塚正人: "アメリカ一極支配への免疫--中東諸国の無変化に何を読むか"en-taxi. 2. 91-94 (2003)

  • [文献書誌] 飯塚正人: "中東諸国におけるイスラム主義勢力の動向"中東諸国における政治情勢及び経済等の現状と今後の展望. 23-32 (2003)

  • [文献書誌] 黒木英充: "いわゆる『テロ』および地域紛争と宗教・文化の関わり"Human Security. 7. 49-70 (2003)

  • [文献書誌] 黒木英充: "パンドラの箱----北イラクの火薬庫とトルコの苦悩"現代思想. 31-5. 126-131 (2003)

  • [文献書誌] 黒木英充: "序----現代世界と地中海史"地中海世界史2・多元的世界の展開. 17-24 (2003)

  • [文献書誌] 黒木英充: "東方問題とオスマン帝国の構造変化--一八〜一九世紀半ば"地中海世界史2・多元的世界の展開. 240-273 (2003)

  • [文献書誌] 近藤信彰: "テヘランの古集会モスクとワクフ"アジア・アフリカ言語文化研究. 66. 1-20 (2003)

  • [文献書誌] Kondo Nobuaki: "The Vaqf of Ustad Abbas : The Revision of Deeds in Qajar Tehran"Persian Documents : as sources for social history of Iran and Turan. 106-128 (2003)

  • [文献書誌] 中田考: "イラン・イスラーム革命の出発点:書評『イスラーム統治論・大ジハード論』"図書新聞. 2660. 9-9 (2004)

  • [文献書誌] 中田考: "イスラームの世界観とムスリム少数派"平成15年度宗教法人関係者人権問題研修会「講演録」. 1-18 (2003)

  • [文献書誌] 山岸智子: "殉教者たち--イスラームとナショナリズムの乱反射"現代思想. 31-5. 150-155 (2003)

  • [文献書誌] 山岸智子: "なぜアメリカは嫌われるのか--ジアウッディン・サーダー、メリル・ウィン・デービス共著『反米の理由』についての私見"新日本文学Nova japana literaturo. 644. 71-75 (2003)

  • [文献書誌] 山岸智子: "放置、脅威、共生〜9.11後の在日ムスリム"スペイン史学会会報. 73. 14-16 (2003)

  • [文献書誌] 山岸智子: "自衛隊に「テロ」の定義を任せてよいのか"軍縮問題資料. 282. 34-39 (2004)

  • [文献書誌] Hidemitsu Kuroki(ed.): "The Influence of Human Mobility in Muslim Societies"Kegan Paul(London). xiv+326 (2003)

  • [文献書誌] Kondo Nobuaki(ed.): "Persian Documents : social History of Iran and Turan in the fifteenth to nineteenth Centuries"Routlege, Curzon(London). 208 (2003)

  • [文献書誌] 中田考: "イスラーム法の存立構造"ナカニシヤ出版. 566 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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