海外調査では、欧州の小国であり国境曲率の大きいルクセンブルグとアンドラを訪問した。そして、1)当該国国境を通る高速道路や幹線道路沿いのガソリンスタンド位置やガソリン価格調査、2)当該国のガソリンスタンドでの国籍ナンバープレート調査を行った。欧州連合において付加価値税が最も低いルクセンブルグでは、隣接するドイツやベルギーと比較して、ガソリン価格が2割低いこと、ルクセンブルグ以外の通過交通量が9割を超えることも把握した。さらに、欧州の小国であるアンドラを訪問し、隣接するフランスやスペインより価格が低いことを確認した。同時に通過交通を取り込んだ理論化モデルが必要であることを認識した。 調査内容を受けてより信頼性の高い理論モデルを構築した。具体的研究成果としては、国の大きさや国境曲率の影響を見るために、平面上の二国間税競争をナッシュゲームで定式化し、論文を執筆した。国際誌Journal of Economic Geographyへの掲載受理が決まった。
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