(1)平成14年7月30日から8月19日までの21日間、丸山と栗原はカナダ西部3州を訪れ、各州政府での聞き取り、また主要都市における地域通貨実施団体への聞き取りを行った。丸山は、バンクーバー、カルガリー、エドモントンにおける地域通貨運営責任者からそれぞれの地域通貨の実態と課題について話を聞くとともに、資料を入手した。バンクーバーでは電子化された帳簿形式の地域通貨を用いており会員がかなり限定されていること、カルガリーでは紙券形式の地域通貨を用いておりビジネスや自治体の参加を含んだ幅広い利用をめざしていること、エドモントンでは帳簿形式の地域通貨を用いており失業者や低所得者層の福祉向上をめざしていること、などを知ることができた。栗原は、バンクーバー(BC州)、カルガリーとエドモントン(アルバータ州)、リジャイナ(サスカチュワン州)各市において、当該州政府事務所を訪ね、日本からの直接投資の実態ならびに今後の投資誘致計画について聞き取り調査を行った。リジャイナでは日系企業が投資する有機小麦の製粉工場ならびに同工場に小麦を提供している農場の見学を行った。さらに、BC州の港湾市のひとつプリンスルパートに赴いて、日系資本引き揚げに伴う石炭積み出し停止が同市の地域経済に与えた影響について聞き取りを行った。(2)平成14年11月13日から22日までの10日間、丸山と栗原はトロントおよびオタワを訪れ、資料収集および聞き取り調査を行った。トロントでは、丸山、栗原ともにトロント大学図書館を利用して資料を収集した。また、オタワでは、丸山は地域通貨運営責任者から聞き取り調査を行い、帳簿形式の地域通貨の限定的性格について確認した。栗原は連邦政府の農業省、資源省で日本からカナダへの投資の現状と今後の投資誘致見通しについて聞き取り調査を行った。
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