研究課題/領域番号 |
14402043
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
山岡 和枝 帝京大学, 法学部, 助教授 (50091038)
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研究分担者 |
小林 廉毅 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70178341)
矢野 栄二 帝京大学, 医学部, 教授 (50114690)
橋本 英樹 帝京大学, 医学部, 講師 (50317682)
吉野 諒三 統計数理研究所, 領域統計研究系, 助教授 (60220711)
林 文 東洋英和女学院大学, 人間科学部, 教授 (00180977)
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キーワード | 医療 / 文化 / 多次元的連関 / 国際比較 / 文化的差異 / 信頼感 / 家庭観 / 健康 |
研究概要 |
今回の科学研究費の交付期間内には、「医療と文化の多次元的連関に関する統計科学的研究」の一部として、特に以下の3点を行うことを目的として研究を遂行する。1)医療における文化的差異の影響について、欧米諸国については既成の国際比較研究結果の2次分析を行い、その要因を明らかにする。さらに新たに比較のための文化的連鎖を拡げるため、アジア諸国なども念頭に入れ、統計学的標本抽出に則った面接調査の遂行の可能性を検討した上で調査の企画デザインをたて調査を行う。2)文化的社会的環境として、今回は特に精神的健康に関連すると考えられる一般的「信頼感」及び組織における人間関係に焦点をあて分析する。その上で、「家族観」等の社会的要因の健康問題に対する影響について検討し、精神的健康を含む健康問題への対応法について、既成の資料の分析による医療環境の背景も念頭に入れて解明する。3)収集した調査結果の情報を元にデータベースを作成し、世界へ向けて一般公開することをはかる。 このような目的の下で、本年度は文献検索と既存データの2次分析を行い、質問項目の選定のための基礎資料を作成した。7カ国国際比較調査結果等の2次分析と本年、鄭・吉野によりに行われた中国・上海調査結果より、各文化での健康感に関する特徴を把握し、文化的連鎖について検討した。その結果、「信頼感」、「不信感」、「家庭観」に関する質問項目と健康感との関連が強く、文化的差異があることもわかった。この結果を論文にまとめ、投稿するよう図った。現在、質問項目の作成・選定のために必要な資料を取りそろえ、さらに詳細な質問項目の検討に取り組んでいる。また、次年度予定している調査では文化的連鎖を拡げるため、アジア諸国なども念頭に入れ、現地の調査会社や研究者と連絡を取り、調査方法も含めた調査の遂行の可能性を検討しており、最終調整を行っているところである。最終質問項目の翻訳版は2003年4月完成を予定している。
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