研究概要 |
2002年7月末から約2週間、9月末から約3週間、南アフリカの4金鉱山で次の地震震源を地下直接観測した: 震源1:Klerksdorp市ARM5鉱山No.5 Shaft pillar断層(M4.2,2001年発生,地下約2km)、震源2:Welkom市Mathjabeng鉱山Eland Shaft (M4.6,1999年,約1.4km深)、震源3:Welkom市Bambanani鉱山80/72 crosscut (M3.5 2002年,約2.4km深)、震源4:Carletonville市Mponeng鉱山Trough dyke/fault (M>6?太古代,約3km深)。 震源1〜3では、数cmを超える断層すべりが観察されたが、同一震源域で同程度のすべり量であっても、著しい地震動被害を伴う場合と、そうでない場合があった。早い断層すべりと遅いすべりがあることを暗示する。 震源4では、採掘済みの鉱脈と断層との交差部で、広範囲の断層面を観察でき、太古代の地震によるすべり痕が観察された。 震源3から約100mの地点で、M3.5に伴う顕著な余効変動が石井式歪計の24bit25Hz連続観測記録によって得られた。外挿すれば10のマイナス4乗級の歪変化があったと推定される。また、歪計から20mのM0の地震では、直前直後を含むすべての歪変化が完全に収録され、地震直前0.1秒までには、振幅が歪ステップの1/1000を超える前駆現象は見られなかった。しかし、地震が記録されていない時刻に非常に大きな余効変動が開始することが何度かあり、地震直後の震源域が非常に複雑に変化している様子が明らかになった。 代表者は、来年度約2ヶ月半南アに滞在し、M3超級地震震源での応力測定とサンプル回収の段取りも完了させた。
|