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2003 年度 実績報告書

地震震源の地下直接観測

研究課題

研究課題/領域番号 14403005
研究機関立命館大学

研究代表者

小笠原 宏  立命館大学, 理工学部, 教授 (40213996)

研究分担者 川方 裕則  京都大学, 防災研究所, 文部科学教官助手 (80346056)
佐藤 隆司  産業技術総合研究所, 地球科学情報研究部門, 研究グループ長
石井 紘  地震予知総合研究振興会, 東濃地震科学研究所, 副主席主任研究員
キーワード地震 / 震源 / 直接観測 / 物理学 / 物性
研究概要

2003年4月〜10月および翌年2月に、代表者および分担者が、2週間から3ヶ月間南アフリカに渡航し(代表者は3回渡航)、南アフリカの3金鉱山における2つの地震震源および1つの震源候補を地下直接観測した。
Bambanani鉱山地下約2.4kmでは、震源から約100mの地点の石井式歪計によって、M2.5の地震に伴う10^<-4>級歪変化が25Hz24bitで初めて完全に収録された。2月のM2.5地震は36.5秒前から複数の前震と歪変化を伴いながら本震に至ったが、4月のM2.5地震は前震も歪変化も伴わずに本震へと至った。2つの地震の違いを理解することが今後の課題である。どちらの地震も、本震発生直前(0.1秒前)まで歪の加速は観測されなかった。歪計の上方数十mの震源域を、2003年5月に観察したが、地震動による岩盤のダメージが大きく、明瞭な断層ずれ変位を発見することができなかった。
Tau Tona鉱山地下約2.9kmで3月に発生したM2.5の地震断層は、薄板状採掘跡および地震後に掘削された新坑道の壁面(硅岩)において新鮮な破壊面が確認され、サンプルを採集した。この断層から約20mの地点で応力測定(応力解放・ASR・DSCA法・Borehole Breakout観察)を行った。この現場では、2003年3月以降の採掘進行に伴う応力集中が非常に激しく、応力解放法とASR・DSCA法は成功しなかったが、Borehole Breakout観察によって最大主応力が断層に斜交することが確認された。
震源候補(Mponeng鉱山;Pretorius断層;地下約3.1km)は、幅数十mの断層帯であり、10〜30m長の9本のボーリングと坑道壁の観察から、大小に破断された周囲の母岩の隙間を断層岩が埋め尽くして固化したものが、複数の弱面によって切られているという複雑な構造をしていることが明らかになった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 小笠原宏, 他: "南ア金鉱山での震源過程直接観察"地震ジャーナル. No.35. 42-51 (2003)

  • [文献書誌] 小笠原宏, 他: "南ア金鉱山における半制御地震発生実験(2002-2006)"月刊地球. 292. 815-817 (2003)

  • [文献書誌] Takeuchi, J., Ogasawara, H.et al.: "Coseismic strain change of 10^<-4> and 7×10^<-5> recorded with Ishii strainmeter by continuous 24bit 25Hz monitoring on seismic fault of M〜3 in deep gold mine, South Africa"Eos Trans.AGU. 84(46). S41C-0103 (2003)

  • [文献書誌] 小笠原宏, 他: "2003年の南アフリカ金鉱山の地震発生・制御・防災と予知"月刊地球. 印刷中. (2004)

  • [文献書誌] 小笠原宏, 佐藤隆司: "M2級地震の震源と応力集中(南アフリカTau Tona金鉱山)"地質ニュース. 印刷中(口絵). (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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