研究概要 |
本研究は,地震断層の繰り返し運動のメカニズムを解明する目的で行われている.本年度の研究は,当初の研究計画に沿って,研究を進めてきており,研究成果として,すでに6編の論文が国際・国内の学術雑誌に公表している(研究発表論文リストを参照>. 本年度の研究では,オーストラリアのWoodroffeせん断帯から採集したシュードタキライトのサンプルを整理して,100枚以上の大型研磨片・薄片を作成した.これらの研磨片・簿片を用いて,肉眼および顕微競下での微細構造観察および解析を進めている.比較するため,これまでに報告された典型的なシュードタキライトの産地:scotland北部のOuter Hebrideせん断層帯と中国大別山超高圧変成帯に産出するシュードタキライトの調査を行った.初歩的な研究結果,中国大別山超高圧変成帯では塑性変形で形成されたマイロナイトと共存するシュードタキライトが発見され,地震断層の脆性破壊は震源断層深部の25km以下に及ぶことが明らかにされた.また,既存の活断層と地震断層との関係および地震断層の繰り返し運動のメカニズムを解明するために,2001年中国チベット高原の北部で起きたMs8.1昆崙山中部地震地震の地表地震断層の調査を行った.その結果,地表地震断層はほぼ既存の昆崙活断層帯に沿って現れたことが明らかにされた.
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