アジア大陸東部の大陸変形現象を古地磁気学よりさぐる

2002 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 14403010
• 研究種目: 基盤研究(B)
• 研究機関: 神戸大学
• 研究代表者: 乙藤 洋一郎 神戸大学, 理学部, 教授 (90160895)
• 研究分担者: 山崎 和仁 神戸大学, 理学部, 助手 (20335417) ; 藤田 清士 神戸大学, 理学部, 助手 (00283862) ; 山口 覚 神戸大学, 理学部, 講師 (70191228) ; 糸田 千鶴 大阪短期大学, 経営情報学科, 助教授 (80246800) ; 井口 博夫 姫路工業大学, 環境人間学部, 教授 (40112073)
• キーワード: 古地磁気 / テクトニクス / アジア / 大陸 / 大陸変形

研究概要

今年度は三つの地質調査・岩石採取隊を組織し中国、ロシア、ラオスに赴いた。
[中国隊]2002年9月、湖北省の宜昌を研究目的地域と選び,2週間にわたり地質調査・岩石採取をおこなった.白亜紀の砂岩層から古地磁気層序を明らかにする目的で1000mの地層断面から73箇所で692個の試料の採取をおこなった。試料採取はガソリンエンジンドリルで実行して日本にもちかえった。
[ロシア隊]2002年9月、アムール川下流域を研究目的地に選び、2週間にわたり地質調査・岩石採取をおこなった。ハバロフスク洲コムソモリスクアムールの北方のアムール川流域で、前期白亜紀の砂岩を10箇所80個を採取した。コムソモリスクアムールの南方ジューエンにて前期白亜紀の砂岩を4箇所32個採取した。コムソモリスクアムール東で前期白亜紀のオリストロームの調査をおこない、沿海洲ビキンの南方でアルカリ玄武岩の火山の調査を行い、オリビンノジュールを100kg試料採取した。試料は現在、共同研究先である太平洋海洋研究所が,ロシアの税関と交渉をおこない、日本へ送り出す準備をしている。
[ラオス隊]2003年3月、ラオス北部のフォンサリ周辺を研究目的地域に選び、2週間にわたり地質調査・岩石採取をおこなった。白亜紀の赤色砂岩を採取した。
現在まで持ちかえることができた岩石試料については、残留磁化は神戸大学理学部の超伝導磁力計で測定している.岩石磁気については、姫路工業大学環境人間学部で測定を開始した。

研究成果

• [文献書誌] Otofuji, Y., Matsuda, R., Enami, K., Uno, K., Nishihama, R.G., Kulinichi, P.S., Zimin, A.P.Matunin, V.G.Sakhno: "Internal deformation of sikhote Alin volcanic belt, Far Eastern Russia, Paleocene paleomagnetic results"Tectonophysics. 350. 181-192 (2002)
• [文献書誌] Yang, Z., Y.Otofuji, Y., Z.Sun, B.Haung: "Magnetostratigraphic constraints on the Gondwanian origin of North China : Cambrian/Ordovician boundary results"Geophys. J. Int.. 151. 1-10 (2002)
• [文献書誌] Otofuji, Y., T.Matsuda, R.Enami, K.Uno, K.Nishihama, N.Halim, L.Su, H.Zaman, R.G.Kulinich, P.S.Zimin, A.P.Matunin, V.G.Sakhno: "Late Cretaceous and Paleocene paleomangetic results of Sikhote Alin, Far eastern Russia : tectonic implications for the eastern margin of the Mongolia Block"Geophys. J. Int.. 152. 202-214 (2003)