研究課題/領域番号 |
14403013
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
平島 崇男 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90181156)
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研究分担者 |
広井 美邦 千葉大学, 理学部, 教授 (40019427)
森 健 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80125963)
小畑 正明 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20126486)
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キーワード | 地下深部物質 / グラニュライト / ザクロ石橄欖岩 / エクロジャイト / 部分溶融 / ボヘミア山塊 / チェコ共和国 |
研究概要 |
平成15年5月16-29日まで、平島崇男・小畑正明・廣井美邦と研究協力者2名(臼杵直・小林記之)がチェコ共和国を訪問し、海外共同研究者(M.Svojtka, P.Jakes)達と伴にボヘミア山塊において、平成14年に調査できなかった地域の地質調査と、平成14年度の採集資料で問題がより鮮明になった地域で、かんらん岩、酸性-中性グラニュライト、泥質片麻岩、グラニュライト中の多様な化学組成を示すノジュール類などを追加サンプリングし、それらの野外での産状を詳細に観察した。 平成15年9月、静岡大学で開催された日本地質学会年会において、室内実験で得られた成果を以下の5件の講演で口頭発表した;1)グラニュライトの最高圧力値の再検討(平島他)、2)Nove Dvory産の超高圧エクロジャイトの岩石学(中村他)、3)Plesovice産ざくろ石カンラン岩の変成史(苗村他)、4)高温化における不均質拡散組織の意義(臼杵他)、5)せん断応力に起因するA12Si05鉱物の転移反応の発見とその意義(広井他)。2)のNove Dvory産の超高圧エクロジャイトの研究はJournal metamorphic petrology誌に投稿し、微修正後受理の段階までこぎつけている。 平成16年3月1日には、M.Svojtka(本科研費で招待)・廣井美邦を交えて、京都大学において,今年度の研究成果発表会を開催した。その会で、平成15年9月以降の新たな成果として、1)Ktis産kinzigiteやミグマタイトの岩石学、2)Horni Bory産石灰質変成岩の岩石学、3)Mohelno産ペリドタイトの岩石学などが紹介され、意見交換を行った。また、来年度の研究方針として、全岩化学分析、微細な流体包有物の研究などを新たに展開し、高温高圧下での融解現象の役割について、より深く研究することにした。 流体包有物の研究では、三波川産エクロジャイトから始めて流体包有物を発見し、その組成の同定と形成時期の推定を行った。この作業を通じて同定作業の効率化が必要であることが判り、当初予定を変更して、若干の周辺機器の購入し、習熟を開始したところである。
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