研究課題
基盤研究(B)
平成14年〜平成16年までに計3回、チェコ共和国のボヘミア山塊において、海外共同研究者(M.Svojtka, P.Jakes)の協力を得て、かんらん岩、酸性-中性グラニュライト、泥質片麻岩やグラニュライト中の多様な化学組成を示すノジュール類などの採集、それらの野外での産状を詳細に観察した。ボヘミア山塊で採集した試料の室内研究から以下の成果を見出し、平成15年度の日本地質学会年会で以下の5件の講演を行った:1)グラニュライトの最高圧力値の再検討(平島他)、2)Nove Dvory産の超高圧エクロジャイトの岩石学(中村他)、3)Plesovice産ざくろ石カンラン岩の変成史(苗村地)、4)高温化における不均質拡散組織の意義(臼杵他)、5)せん断応力に起因するAl2Si05鉱物の転移反応の発見とその意義(広井他)。2)のNove Dvory産の超高圧エクロジャイトの研究は平成16年(2004年)にJournal metamorphic petrology誌に受理・印刷された。平成16年度には、6)Ktis産kinzigiteやミグマタイトの岩石学、7)Horni Bory産石灰質変成岩の岩石学、8)Mohelno産ペリドタイトの岩石学などで新たな成果を得た。平島は平成16年8月の第32回万国地質学会(フィレンツェ)に参加し、地下深部ダイナミクスに関する公演を行うと共に、内外の研究者と意見交換を行った。流体包有物の研究では、Horni Bory産石灰質変成岩から複数ステージの形成を示唆する流体包有物を見つけた。また、日本の三波川産エクロジャイトから始めて流体包有物を発見し、その組成の同定と形成時期の推定を行った。平成16年3月には、M.Svojtkaを本科研費で京都大学に招待し、廣井美邦を交えて研究成果発表会を開催した。平成17年3月にも成果発表会を行い、次年度以降の研究計画を議論した。
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すべて 雑誌論文 (16件)
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