研究課題/領域番号 |
14403015
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研究機関 | 立正大学 |
研究代表者 |
佐竹 研一 立正大学, 地球環境科学部環境システム学科, 教授 (50101051)
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研究分担者 |
高松 武次郎 独立行政法人国立環境研究所, 水土壌圏環境研究領域, 室長 (60109915)
角田 欣一 群馬大学, 工学部, 教授 (30175468)
梅村 知也 群馬大学, 工学部, 助手 (10312901)
益永 茂樹 横浜国立大学, 大学院・環境情報学府, 教授 (50282950)
保倉 明子 東京理科大学, 理学部, 助手 (20343569)
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キーワード | 環境汚染 / 入皮 / 越境大気汚染 / 鉛 / 安定同位体 / モニタリング / 環境汚染史 / ^<208>Pb |
研究概要 |
本年度は研究の最終年度にあたるので、これまでの成果を取りまとめて論文として発表を行うと共に、国内における更なる研究ならびに国際共同研究を行った。 I.大陸からの長距離越境大気汚染検証のため新潟県佐渡及び新潟県北部地域(村上、山北、朝日)より採取した杉外樹皮ならびに杉入皮について^<208>Pb/^<207>Pbと^<207>Pb/^<206>Pbの同位体比の変化を求め、その変化から特に冬と春大陸からの汚染物質の飛来が増加していることを証明しThe Science of the Total Environment誌に投稿し受理された(論文名: Seasonal and long-term change in lead deposition in central Japan : evidence for atmosphere transport from continental Asia)。 II.東京都内および横浜においてイチョウに注目し、その外樹皮、内樹皮、入皮をサンプリングし含まれる水銀量の測定を行い、外樹皮内樹皮共に水銀汚染の指標として役立つことを証明し、その成果をスロベニアで開催された第7回水銀会議(7th International Conference on Mercury as a Global Pollutant)で発表を行った(論文名: Evaluation of outer bark and inner bark of Ginkgo biloba Linn. as indicators for mercury pollution)。 III.チェコ大気・水文研究所との共同研究では北ボヘミアに分布するヨーロッパブナに注目しチェコ産の石炭に含まれる^<208>Pb/^<206>Pbと^<206>Pb/^<207>Pbの同位体比およびその変化を害樹皮ならびに入皮について測定し、北ボヘミアの鉛汚染が有鉛ガソリンによるよりも石炭起源の鉛によって著しく汚染されていることを明らかにした。この成果は2005年6月プラハで開催される第7回酸性雨国際学会(Acid Rain 2005)で発表すべくabstractを送付した。 IV.中国厦門大学との共同研究では、厦門大学の研究グループが南中国に分布しているLongpetiale Beechに注目し外樹皮ならびに入皮に蓄積している多環芳香化合物(PAHs)を分析して19世紀末から現代にかけてPAHの量が増加していることを明らかにし、これに関する論文はEnvironmental Science and Technology誌に受理された。又、佐竹が研究指導を行っている厦門大学では入皮を用いる有機汚染物質による中国北部、中部、南部地域環境汚染史の解明に向けて、これらの地域の汚染を一つの基準をペースにして相互の汚染度を評価するための新しい研究手法を開発し、本年国際誌に発表の予定である。
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