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2003 年度 実績報告書

核被災地域住民の被曝線量評価:旧ソ連核実験場周辺住民の内部被曝線量の構築

研究課題

研究課題/領域番号 14403016
研究機関金沢大学

研究代表者

山本 政儀  金沢大学, 自然計測応用研究センター, 教授 (10121295)

研究分担者 白石 久二雄  金沢大学, 放射線医学総合研究所, チームリーダー (10162760)
星 正治  広島大学, 原爆医科学研究所, 教授 (50099090)
キーワードセミパラチンスク / 人体試料 / プルトニウム-239、240 / ストロンチウム-90 / 内部被曝線量 / 核被災地域
研究概要

旧ソ連の核実験場セミパラチンスク周辺の住民被曝の特徴は、外部被曝(30-250cSv:1949-1992年間の民住民の総被爆線量)に加えてかなりの内部被曝(40-300cSv)を受けていることである。この内部被曝線量は、数学的モデルで推定されたもので検証が必須である。現在唯一、検証が可能と思われるのは、人体組織の骨中^<90>Sr測定以外ないのではないかと考えている。2001年から、内部被曝線量評価の一環として、核実験場周辺で亡くなられた方の骨試料を提供していただき骨中のU,Pu,^<90>Srの測定を開始してきた。核実験場近傍の集落で被曝し亡くなられた方の人体試料について出来るだけ多くの試料を収集しデーターの蓄積を計ることが最重要である。
本研究において、クルチャトフ研究所及びセミパラチンスク市内の大学病院との連携で、核実験場近傍の集落、モスチーク、ドロン、ズナーメンカ、サルジャールで長年住んでいて亡くなられた方の人体組織を(主に脊椎)約150試料以上収集した。その結果以下のことを明らかにした。
これまでに採取した試料を用いてPu,Uの逐次分析法を開発し、これまでに約50試料の分析を実施した。Pu-239,240及びU-238濃度は、灰化試料1g当たり0.005-0.23Bq/g,0.09-0.49mBq/gの範囲であった。分析した試料の大部分は、セミパラチンスク市内が多く、これらの値はこれまでに報告されているデーターとくらべて同レベルであった。しかし、核実験場近傍の試料で高い値を持つケースもいくつか見いだされた。Sr-90については0.05-0.13mBq/g-ashの値が検出された。
↑標準人(70kg)、平均Pu-239,240濃度0.03mBq/g-ashを用いて50年間に受ける実効線量当量を試算すると、全て吸入摂取の場合には、12.3(難溶性Pu)〜42.7(可溶性Pu)μSv,全て経口摂取の場合に13.5-28.6μSvとなった。
→Sr-90について、モデルから予想される内部被曝との一次比較を行った結果、10倍程度の違いが明らかになり、さらなる実測データの蓄積とモデル計算のパラメーターの改良が必要であることが解った。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] M.Yamamoto et al.: "Distribution throughout southern districts of Pu isotopes and Cs-137 in soil from Semipalatinsk nuclear test site"J.Radioanal.Nucl.Chem.. 204(soon issued). (2004)

  • [文献書誌] A.Sakaguchi, M.Yamamoto et al.: "Pu isotopes and Cs-137 in Dolon settlement near the Semipalatinsk nuclear test site : about 50 years after the first nuclear weapon testing"J.Radioanal.Nucl.Chem.. 261(soon issued). (2004)

  • [文献書誌] M.yamamoto et al.: "Current levels and distribution of Cs-137 and Pu isotopes in soil in Kazakhstan territory of the Kazakhstan-Chinese border : Semipalatinsk and Lob Nor nuclear test sites detonation"J.Radioanal.Nucl.Chem.. 265(soon issued). (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2014-02-17  

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