研究概要 |
1999年9月に発生した台湾集集地震においては,長大PC斜張橋を含む30を超える橋梁で大きな被害が生じている.著者らは,地震発生直後より現地調査や詳細測量を実施するとともに,特に損傷の大きい8橋梁(集鹿大橋,猫羅渓橋,長庚大橋,烏渓橋,石圍橋、卑豊橋,一江橋)について分析を実施している. しかしながら,検討結果は多くが定性的な評価に留まっている.これは,詳細図面や詳細地質データを十分には入手していないため,阪神大震災を契機として新たに開発された詳細な数値解析手法が適用できないためである. 本研究目的は以下の手法により,橋梁の損傷メカニズムを明らかにすることである. 1)詳細現地調査により,不足している詳細設計図面,詳細地質図,基礎の損傷状態などの情報を入手する. 2)これらのデータを用いた詳細動的解析により,橋梁の損傷メカニズム,損傷防止対策を明らかにする. 現在までに得られた成果を以下に示す. 1)調査概要 台湾中部の台中県周辺の橋梁8箇所を調査した.また,橋梁管理者,設計者,施工者からのヒヤリング調査を実施した. 2)詳細データ調査 台湾側の橋梁管理者および設計担当者に,実施した概略調査結果を説明するとともに,質問事項一覧表を作成し,ヒヤリング調査を行った.また,設計図,地質データを入手した. 3)詳細解析 上記のデータを基に,数基の橋梁に対して詳細設計図および地質データに基づく,動的解析を実施中である.
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