研究課題/領域番号 |
14404008
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
鏡味 洋史 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50125291)
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研究分担者 |
石山 祐二 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70241362)
高井 伸雄 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10281792)
岡田 成幸 名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50125291)
和藤 幸弘 金沢医科大学, 救急医学講座, 助教授 (90211680)
清野 純史 京都大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00161597)
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キーワード | 人的被害 / 建物破壊パターン / 災害医学 / シミュレーション / 兵庫県南部地震 / イベントツリー解析 / GIS / データベース |
研究概要 |
本研究は、地震発生時の建物倒壊に伴う死者発生メカニズムを明らかにし、防止のための建築行為、救出行為・医療行為の効果的対策指針を与えることを目的としている。本年度は2年次に当たり、昨年度収集した、主として阪神・淡路大震災の建物被害と人的被害の関係をデータベース化し、死者発生のメカニズムを追った死者予測モデルを構築した。すなわち、与えられた地震動入力に対して建物の構造的破壊パターン、それに派生する内部空間被災(これを内部空間被災度W値を定義し指標化)、その結果として生じる人的被害(死者数)を重回帰モデルで構築した。これは、従来の建物倒壊が死者を規定するという単純なモデルに較べ、予測精度が格段に高まったのみならず、内部空間被災度を介することにより、わが国のみならず諸外国の建物構造に適用が可能となり、かつ、事前対策としての構造補強対策しして地震発生後の直後対応としてのSAR(救出救命)活動への意思決定情報を与えるものでもある。この観点から、このモデルを地震工学〜災害医療科学領域にいかに適用し死者低減策へと繋げるかということを議論するための第2回公開研究会(北海道大学〜テキサス大学健康科学センター・災害下における死者発生に関する要因分析と軽減化のための学際的公開研究会)を昨年度(テキサス大学)に引続き開催した。 本年度交付申請の時点で計画していた中国ウルグイ地震の調査は、SARS禍による渡航自粛の関係で実現が不可能となり、次年度に持ち越し平成16年12月にイラン西部のバム地震の調査を実施した。地震の発生から1年近くが経過しているが住宅の復興は途についたばかりで、被災民の多くは被災家屋の近くに仮住まいをしている。被災住民にインタビュー調査を行い。住宅の建築構造形式、破壊パターン、死傷者の発生状況に関する、現地的なデータ200世帯分を得た。組積造建物を中心とした海外の地震にも適用範囲を広げることができた。
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