研究課題/領域番号 |
14404009
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
青木 孝義 名古屋市立大学, 大学院・芸術工学研究科, 助教授 (10202467)
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研究分担者 |
込山 貴仁 (株)コンステック, 大阪診断技術研究所, 所長
谷川 恭雄 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 教授 (70023182)
宮村 篤典 名古屋市立大学, 大学院・芸術工学研究科, 教授 (20076532)
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キーワード | 国際研究者交流 / イタリア / ヴィコフォルテ教会堂 / 組積造 / 劣化現況 / 保存修復 / 非破壊検査 / 構造解析 |
研究概要 |
本研究は、ヴィコフォルテ教会堂を中心とする歴史的建築物のa)目視・非破壊検査による劣化現況調査、b)構造・振動調査、c)構造解析による構造特性の把握と分析、に関する海外学術調査を実施したもので、またVicoforte2002-2006プロジェクトとしてトリノ工科大学との国際共同研究に位置付けられている。 1.目視および赤外線サーモグラフィー法により、ヴィコフォルテ教会堂の外壁石貼り、礼拝堂天井およびメインドーム内殻面のフレスコ画に関して、浮きの箇所特定を行った。 2.電磁波レーダー法により、ドーム殻面およびヴォールトの厚さを推定した。 3.Galloによりドーム基部3レベルに設置された補強リングの接合部を確認するとともに、衝撃弾性波法により補強リングの破断調査を行った。 4.反発硬度、超音波速度、ウィンザーピン法を用いてレンガ、モルタルの劣化現況を調査した。 5.地上レベル外周およびドームコーニスレベルについてレベル測量を行った結果は、Garroが1935年から45年にかけて実施した測量結果とほぼ一致し、不同沈下の進行はほぼ収束していることを明らかにした。 6.常時微動測定を行い、教会堂の固有振動数を東西方向1.95Hz、南北方向2.09Hz、鐘楼の固有振動数を約1.60Hzと推定した。 7.構造解析により、教会堂全体の荷重の伝達メカニズムとクラックの発生原因を明らかにした。 8.イタリア側研究者と新たに設置する強震計、ならびに既設の内外の温湿度計、変位計、ドーム基部に設置された補強リングの張力計の確認を行い、モニタリングのための準備を行った。 9.日本国内において、レンガ、モルタル、組積造壁体の室内実験を行うとともに、常滑市のレンガ煙突、大分県下毛郡本耶馬溪町の羅漢寺橋の加速度測定を行い、固有振動数と固有モードの推定を行った。
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