研究概要 |
中国における耐乾燥性ゴム産生植物の探索 1.中国陜西省,延安(1箇所),西安(2箇所;楊凌,華山)においてペリプロカ類の生育地調査を実施した。中国にはPeriploca属の4種が生育することが知られているが,調査地点で採取された種は全て,Periploca sepiumであると同定された. 2.延安においては黄土高原の斜面上に発達した潅木群落の中に,他の潅木類と混生して生育した.群落高は1mから2mで,被度70%以下の疎林であった.ペリプロカの根系を調査した結果,ほとんどの個体が根萌芽で増殖していることが確認された.50本の個体を伐採し,成長速度を調査した結果,8年生で平均根元径20mm,樹高1m程度に成長していることがわかった.楊凌においては,河川堤防敷にペリプロカの優占した小群落を形成した.群落高は1m以下で,被度は90%であった.群落は山羊の食害を受けていることが確認された.華山においては,花崗岩の山麓に認められ,小礫上に群落を形成した.群落はほとんど純群落で,高さ1m,被度90%であった. 3.ペリプロカの栽培:採取した種子を発芽させ,苗木を育成した.苗木は圃場に定植した.1年間で約0.5mの成長が認められ,今後,分析用の試料供給源としての利用が期待される. 4.トランス型ゴムを産生する耐乾燥性植物であるトチュウの育苗センター(楊凌)を訪問した。トチュウゴムの抽出・精製技術の調査を行った。共同研究の可能性を打診したところ可能性ありとの回答を得た。
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