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2002 年度 実績報告書

カンボジアおよびタイのクメール建造物の石材並びに石材劣化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14404016
研究機関早稲田大学

研究代表者

内田 悦生  早稲田大学, 理工学部, 教授 (40185020)

研究分担者 下田 一太  日本学術振興会, 特別研究員(DC)
輿石 直幸  早稲田大学, 理工学部, 助教授 (00257213)
キーワードアンコール遺跡 / クメール遺跡 / 赤外線カメラ / 含水率計 / 石材劣化 / 砂岩 / カンボジア / タイ
研究概要

今年度は、カンボジアのアンコール遺跡(クメール遺跡)において赤外線カメラおよび含水率計を用いた石材劣化に関する調査を行うとともにタイのクメール遺跡において石材調査並びに石切り場調査を行った。
石材の劣化程度およびその範囲を特定することは遺跡修復の実作業において不可欠である。その手法の一つとして赤外線カメラによる調査が挙げられる。平成14年度の科研費において最も大きな部分を占めているのがこの赤外線カメラの購入費である。今現在、日本国政府アンコール遺跡救済チームが修復を手掛けているアンコール・ワットの北経蔵においてこの赤外線カメラによる劣化調査を行った。その結果、石材(砂岩)剥離の検出においてこの赤外線カメラが極めて有効であることが示された。しかしながら、赤外線カメラによる方法では、レリーフの彫られている起伏に富んだ場所では温度分布が複雑になり、必ずしも剥離が明瞭に検出されるわけではなく、検討の余地があることもわかった。また、この赤外線カメラを用いて北経蔵と同様な造りを持つ南経蔵の東西南北面において朝から夕方までの1時間毎の温度分布変化を測定した。その結果、屋根部分が40℃近くの最も大きな日変化を示し、石材の膨張収縮が屋根材劣化の一原因となることがわかった。
タイでは、東北部にある主要なクメール遺跡の調査をおこなった。調査した遺跡の数は17で、これに加え2つの砂岩石切り場の調査も行った。タイ東北部のクメール遺跡では、カンボジアのアンコール遺跡と同様に砂岩、ラテライトおよびレンガが主要な建築材料となっている。しかしながら、その砂岩はアンコール遺跡のものとは異なることが明らかとなった。また、砂岩は大きく3つに分けられ、大まかには地域の地質を反映していることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] E.Uchida, et al.: "The construction process of the Angkor monuments elucidated by the magnetic susceptibility of sandstone"Archaeometry. 45・2. 209-220 (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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