研究概要 |
わが国をはじめ先進諸国では高度道路情報システム(ITS, Intelligent Transport Systems)の研究開発が進んでいる.ITSのシステム開発では効果の正確な計測と評価が必要である.そのためには利用者の行動についての情報を知る必要がある.特に,道路ネットワーク上でのドライバーの情報利用行動と経路選択行動を把握すること,また,効果計測のためのネットワークシミュレーションモデルの開発が必要となってくる.本研究の目的は,トポロジカルな構成や機能といったネットワーク特性の異なる複数の国々と地域においてドライバーの交通情報利用,経路選択行動を比較検討し,ネットワーク特性や利用者特性を考慮した交通情報提供のあり方を検討するための知見を得ることにある.平成15年度は以下の手順で研究を進めた (1)経路選択行動の比較検討のモデル化のための理論およびシミュレーション構築 実測された経路選択行動を解釈するために,経路選択行動の理論を整理した上で解釈のためのモデルを作成し,モデルを運用するためのシミュレーションを作成した. (2)日本における経路選択行動実験の実施 日本国内においてネットワーク上における経路選択行動の測定を行った.道路建設によりネットワークが更新された前と後において同様の測定を行うことにより,ネットワーク特性における変動による利用者行動の変化についても測定している. (3)海外における調査の実施 海外におけるドライバーの経路選択行動について調査を行い,その結果についてわが国における結果との比較を行った.
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