研究課題/領域番号 |
14405001
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
田崎 和江 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (80211358)
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研究分担者 |
荒井 章司 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (20107684)
福森 義宏 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (60135655)
奥野 正幸 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (40183032)
朝田 隆二 ベンチャービジネスラボラトリー, 非常勤講師 (70343184)
木戸 ゆかり 海洋科学技術センター, 団体地球統合フロンティア, 技術研究員 (20359194)
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キーワード | 重金属 / 温泉バイオマット / 微生物 / 生体鉱物化作用 / 地熱地帯 / 金鉱床 / 北投石 / 放射能 |
研究概要 |
平成14・15年度はロシア・カムチャツカの地熱地帯や温泉のバイオマットの野外調査を行い、いずれの水圏にも、多様な重金属イオンを細胞内外に積極的に取り込んでいる土着のバクテリアを発見した。平成16年度は台湾の北投温泉と日本の玉川温泉のバイオマットの野外調査を行った。両温泉はともに放射能をもつ北投石(Barite重晶石)を形成することで有名な温泉である。本調査により、北投石およびバイオマットのガンマー線スペクトルがRa-226(42.2Bq/g),Ra-228(1.35Bq/g)となり、ウラン系列のRa-226が圧倒的に多いことが明らかになった。平成17年度には、タンザニア北西部ビクトリア湖の南岸Geitaにおいて、ダル・エッサラーム大学のProf.Sospeter Muhongo教授グループと共同で調査を行った。10箇所の小規模金鉱床から、水、堆積物、土壌、バイオマット、周辺のダストを採取し鉱物の同定、化学組成、光学・電子顕微鏡による微生物の観察を行い、微生物の細胞周辺と粘土鉱物に濃集した水銀の分布図を得た。以上、重金属を高濃度に含んだ地熱地帯、温泉地、鉱山のバイオマットにおける現地調査と室内実験結果は、大気-水-土壌-微生物の相互作用による生態系と生体鉱物化作用を明らかにした。また、重金属鉱物の形成における微生物の重要な役割とそのメカニズムをnmオーダーで電子顕微鏡を駆使して明らかにし、重金属の汚染地における環境修復法に有効なデータを提供した。
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