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2002 年度 実績報告書

タイ熱帯季節林の更新・維持に及ぼす山火事・タケの一斉開花の影響の解明

研究課題

研究課題/領域番号 14405009
研究種目

基盤研究(B)

研究機関独立行政法人森林総合研究所

研究代表者

田中 浩  森林総合研究所, 森林植生研究領域, チーム長 (80343789)

研究分担者 中静 透  森林総合研究所, 総合地球環境研究所, 教授 (00281105)
高橋 正通  森林総合研究所, 立地環境研究領域, 室長 (40353750)
石田 厚  森林総合研究所, 森林植生研究領域, 室長 (60343787)
キーワード熱帯季節林 / 山火事 / タケ / 一斉開花 / 枯死 / 更新
研究概要

林床に優占するタケが開花・枯死し、現在森林の更新及びタケの再生がモザイク状に進んでいる、カンチャナブリ県メクロン集水域試験地内の森林動態長期モニタリングサイトにおいて、毎木調査等によるタケ一斉開花後の更新状況の解析、乾季の始まりにおけるタケのガス交換特性の測定、土壌環境の調査を行った。
4haのプロット内で、胸高直径2cm以上のすべての樹木の毎木調査、10mx10mのコドラートごとの植生タイプの記載、林床での全天写真の撮影を行い、1998年及び2001年に起きたタケの一斉開花枯死後の林床の光環境の変化、植生の変化、樹木の更新状況が明らかになった。1998年のGigantchloa albociliataの一斉開花・枯死前には、林床の93.5%(3.74ha)をタケが庇陰していたが、枯死後の2000年には49.5%(1.98ha)に減少し、新たにCephhalostachyum pergracileが一斉開花・枯死した後の2002年には、タケによる林床の庇陰はプロット全体の43.2%(1.33ha)に減少していた。詳細は、毎木データの整理を待つ必要があるが、1998年のタケ枯死後のパッチでは、タケ実生の回復が早く、樹木の更新はすでに阻害されつつあった。タケの一斉開花枯死という稀なイベントと樹木の生活史スケジュールの相互作用は複雑であり、森林の更新への影響の定量的な評価のためには、さまざまな時間的・空間的不均質性を考慮に入れる必要があると考えられた。
予備的な調査として、Cephhalostachyum pergracileの1年生実生及び成熟個体のガス交換特性を測定し、またタケ枯死部分と生存部分での土壌サンプリングを行い、解析中である。また、樹木・タケの実生・稚樹のデモグラフィー調査を継続中である。
実生の生残・定着に及ぼす山火事・乾燥の影響を評価した論文を、Plant Ecologyに発表した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Marod, D., Kutintara, U., Tanaka, H., Nakashizuka, T.: "The effects of drought and fire on seed and seedling dynamics in a tropical seasonal forest in Thailand"PLANT ECOLOGY. 161. 41-57 (2002)

  • [文献書誌] Takahashi, M.: "Carbon storage of forest soil and its fluctuation"Farming Japan. 37-1. 21-23 (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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