研究課題/領域番号 |
14405012
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
戸部 博 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60089604)
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研究分担者 |
東 浩司 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50362439)
徳岡 徹 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 助手 (90303792)
田村 実 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20227292)
荻沼 一男 高知女子大学, 生活科学部, 教授 (30106794)
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キーワード | 原始被子植物 / クスノキ目 / モニミア科 / 発生学 / 分式系統解析 / 染色体 / 単子葉植物 / ヤナギ科 |
研究概要 |
平成16年度は、原始被子植物、特に真正モクレン群の分子進化と生殖・繁殖機構を明らかにするために、以下のような研究を行い成果を得た。 1.研究代表者戸部は研究協力者とともに、真正モクレン目双子葉植物のクスノキ目モニミア科のモニミア亜科とホルトニア亜科、単子葉植物のチシマゼキショウ科とショウブ科、原始モクレン群のオーストベイレア科の生殖構造について、発生学的研究を行った。中でも際だつ成果として、オーストベイレア目の胚のうが4核4細胞であることを明らかにした。またブナ目の生殖機構の解析研究として、カバノキ科やブナ科における受粉から受精に到る花粉管仲長の特徴を分析した。さらに、サクライソウ科オゼソウの葉に含まれるフラボノイド分析を行い、二種類の新天然物を発見した。 2.研究分担者東と徳岡は、単子葉植物のチシマゼキショウ科の分子系統解析を終えるとともに、真正双子葉植物群のキントラノオ目のヤナギ科56属中の50属の系統解析を行った。その結果、50属のうちGerradina, Mocquerysia, Phyllobotryonの3属がヤナギからはずれ、残り47属が単系統群をつくることを明らかにした。 3.研究分担者田村は、葉緑体遺伝子(rbcL, matK)のDNAに基づいて、単子葉植物全体の系統解析と行い、さらに、旧スズラン科(現ナギイカダ科)の系統解析の行った。後者の研究では、旧スズラン科にX=18と19の属があり、核型とともに、系統が染色体進化と良く一致する点も明らかにした。 4.研究分担者荻沼は、原始被子植物のクスノキ目の他、キントラノオ目のヤナギ科とキク目のキク属イワギク群における染色体数や、倍数体起源の研究を行った。この他に、ニューカレドニア固有の科であるStrasburgeriaは2n=ca.500という被子植物でもまれな高次倍数体として生き残っていることをあきらかにした。 5.以上の研究成果の一部は、論文としてまとめる一方、各種の学会発表等を通して公表した。
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