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2003 年度 実績報告書

熱帯酸性土壌地帯における持続的農業技術の構築

研究課題

研究課題/領域番号 14405022
研究機関東京大学

研究代表者

小柳津 広志  東京大学, 生物生産工学研究センター, 教授 (70177301)

研究分担者 中元 朋実  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (50180419)
キーワード熱帯酸性土壌 / 持続的農業 / 土壌肥沃性の改善 / リン酸吸収促進微生物 / ココナッツダスト / 魚加工廃液
研究概要

本研究ではインドネシアを熱帯酸性土壌地域の代表と考え、肥沃性の低い熱帯酸性土壌地域における持続的作物生産システムを提案することを目指している。熱帯の土壌では有機物の分解が速く、降水量が多いことから土壌養分の流亡が激しく、塩基性の養分の流亡によって強い酸性となる。この地域の土壌では土壌有機物含量が非常に低くなり、土壌の微生物バイオマスも減少し、このことが肥沃性の低下につながる。したがって、本研究では熱帯地域で容易にかつ安価で入手可能な有機物の土壌投入を検討した。本研究では、あらかじめ魚加工工場から排出される廃棄物および廃液とココナッツ繊維加工の過程で排出されるダストに注目していた。現地においてこれらの廃棄物の入手経路や価格を調査したところ、ジャワ島西部魚加工場の廃液はただ同然の価格であり、ココナッツダストは1kgあたり約6円と安価であることから、これらを使用したフィールド応用実験を行った。昨年度は魚廃液の悪臭除去法を考案したが、この方法で処理した資材を用いて、圃場試験をボゴール大学圃場で行った。栽培したスウィートコーン、サツマイモおよび現地のアブラナ科作物で、全ての作物で有為に成長を促進した。次に、同様の栽培実験を日本において採取した熱帯酸性土壌にきわめて似た性質を持つ土壌を用いて行った。モロヘイヤおよびスウィートコーン栽培したところ、魚廃液資材は同様に有為に成長を促進した。成長促進と土壌微生物バイオマスとの関連性を確かめるため、土壌バイオマス測定を行ったところ、土壌脂肪酸組成においてもクロロホルム薫蒸においても、魚廃液資材の添加は顕著にバイオマスを増加させ、植物の成長促進がバイオマス量の増加と関連していることが確認できた。

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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