研究課題/領域番号 |
14405025
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
多田内 修 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (10150509)
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研究分担者 |
紙谷 聡志 九州大学, 大学院・農学研究院, 助手 (80274520)
宮永 龍一 島根大学, 生物資源科学部, 助手 (40335550)
幾留 秀一 鹿児島女子短期大学, 教授 (30132525)
湯川 淳一 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (80041622)
小島 弘昭 九州大学, 総合研究博物館, 助手 (80332849)
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キーワード | 国際研究者交流 / 中国新彊ウイグル自治区 / カザフスタン / ハナバチ類 / 砂漠化防止 / 緑化支援 / 送粉生態 / 系統分類 |
研究概要 |
アジア温帯乾燥地域での砂漠化防止のため、緑化支援対策の一つとして、砂漠植物の送粉(花粉媒介)を行う有力野生ハナバチ類の探索、生息状況のモリタリング、送粉生態、営巣習性の調査、およびハナバチ類の分類、分布調査を目的として学術調査を開始した。 平成14年度は8月19日〜9月13日まで、中国新彊ウイグル自治区とカザフスタンにおいて調査を実施した。参加者は日本側は研究代表者、研究分担者、研究協力者等計4名のほか、海外共同研究者として中国では中国科学院動物研究所の研究者2名、カザフスタンではカザフスタン科学院動物研究所の研究者2名が加わった。調査は、中国ではトルファン盆地、ジュンガル盆地の半砂漠地域、カザフスタンではベトパクダラ草原の半砂漠地域およびジャバグリー国立公園の山岳地域で実施し、訪花性昆虫の花ごとの見つけ採り、すくい採りによる採集を行い、特にハナバチ類に関しては訪花植物の調査、営巣習性の調査を行った。採集した標本類は中国科学院、カザフスタン科学院の許可を受け各研究者が日本に持参し、標本作成の後分類学的研究を実施し、また訪花性、営巣習性の生態学的資料のとりまとめを行った。 ハナバチ類の採集標本数は6科約3,300個体であった。代表的な砂漠植物の一つであるギョリュウ科御柳類植物(Tamarix属)の開花期にあたり、訪花ハナバチ類について特に注目して調査を行った。その中でコハナバチ科Halictus(Seladonia)亜属の種の訪花が多いことがわかり、帰国後分類学的研究の結果、カザフスタンから9種、中国新彊ウイグル自治区から1種の新種を発見した。現在2編の論文を投稿準備中である。また、砂漠植物の一つキク科植物のChondrilla sp.によく訪花するヒメハナバチ科Andrena sp.の営巣地を発見して巣の構造を調査し、労働寄生蜂キマダラハナバチNomada sp.を捕獲した。これについても分類学的研究が終わり次第、営巣習性を含めて論文の投稿準備にはいる。
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