研究課題/領域番号 |
14405039
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
恒川 篤史 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (60227452)
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研究分担者 |
三浦 直子 (株)パスコ, 中央省庁事業部技術部環境グループ, (研究職)技術者
篠田 雅人 東京都立大学大学院, 理学研究科, 助教授 (30211957)
高槻 成紀 東京大学, 総合研究博物館, 助教授 (00124595)
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キーワード | モウコガゼル / PTT / アルゴスシステム / 移動経路 / 長距離季節移動 / モンゴル / GPS首輪 / 植物生産力 |
研究概要 |
平成14年10月に衛星追跡用電波送信機を装着したモウコガゼルの移動経路データを解析し、そのデータをもとに、平成15年7,8月にモンゴルの南部および東部の移動経路を含む地域での植生調査と、ガゼルおよびガゼルと競争関係にある可能性がある他種の野生草食獣および家畜数種の食性を分析するための糞採集をおこなった。また、死亡個体から送信機の回収をおこなうとともに、新たに7個体の捕獲を捕獲し、追跡個体を補充した。 その後、インターネット経由で得られる位置データから、追跡個体のうち数頭の死亡が予想されたため、平成15年10月に死亡個体の捜索、送信機の回収をおこない、新たに追跡個体を補充した。 ガゼルの追跡時期と同時期の環境情報データとして、Terra/MODISの正規化植生指数(NDVI)データを入手した。また、現地気象局等から得られる、気象データや家畜頭数データ等の収集をおこなった。 平成14年に追跡を開始した個体については、1年間以上位置データを取得することができた。これにより、ガゼルの夏の生息地と冬の生息地と、春と秋の季節移動経路を明らかにすることができた。夏の生息地と冬の生息地の間の直線距離は約300km離れており、1年間の累積移動距離は1000kmを越える個体も存在した。また、移動経路データと環境情報データを解析した結果、ガゼルの生息地を通過する国際鉄道が移動の障害となっているらしいことが明らかになった。 食性分析の結果からは、ガゼルと家畜のヤギ、ヒツジは食性が似ており、競合関係にある可能性が示唆された。現在、移動経路情報の収集を続けるとともに、季節移動要因を解明するため、ガゼルの位置データとNDVIデータ、現地の植生データとの解析を進めている。
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