研究課題/領域番号 |
14406002
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
関根 一郎 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (60039922)
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研究分担者 |
山下 俊一 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30200679)
柴田 義貞 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (40010954)
大津留 晶 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教授 (00233198)
高村 昇 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (30295068)
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キーワード | セミパラチンスク核実験場 / 胃がん / p53 / p21 / EBウイルス |
研究概要 |
セミパラチンスク核実験場は旧ソ連邦時代1949年から50年近くにわたって、地上、地下核実験が行われたところである。核実験場周辺地区住民についての健康影響調査は、旧ソ連邦時代の秘密主義の影響もあり、まだまだこれからであるのが現状である。長崎・広島の50余年に及ぶ後障害研究は、現在がんの発症の分子レベルでの機構解明に重点が置かれている。放射線誘発がんの中でも、消化器がん、特に胃がんは長崎・広島の場合、被爆後30年余り経過してから増加傾向が見られることが明らかにされたが、その発症機構については未だ不明である。セミパラチンスク核実験場では1949年から1961年まで地上核実験が行われ、その間に被爆した周辺住民の後障害、特にがんの増加が懸念されるが、現地の医療インフラの脆弱さ、さらには旧ソ連邦時代の秘密主義の弊害もあり、その実態はまだまだ明らかになっていない。そこで我々は現在、現地のセミパラチンスク医科大学病理学教室と共同で、核実験場周辺における胃がん症例について、そのサンプリングを行い、病理学的評価を行った。さらに核実験場周辺地区におけるウイルス発がんの頻度を評価するため、in situ hybridizationを用いてEBV-encoded small RNA-1(EBER-1)の発現を調査した。その結果、EBER-1はロシア系住民の10.8%、アジア系住民の8.9%で観察された。この結果はこれまでの欧米や日本におけるEBV頻度とそれほど大きな違いはなく、この地区においてEBVによる胃がん発症が、特異的なものではなく、放射線誘発がんの大きな交絡因子とはなりにくいことを示唆するものである。 今後は、p53さらにはp21といった放射線発がんに関連した遺伝子をターゲットとした分子病理学的解析を進める一方、CGHを用いた網羅的な染色体分析による手法も導入する予定である。
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