研究課題/領域番号 |
14406004
|
研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
當眞 弘 琉球大学, 医学部, 助教授 (80231447)
|
研究分担者 |
新川 武 琉球大学, 遺伝子実験センター, 助教授 (50305190)
渡部 久実 琉球大学, 遺伝子実験センター, 教授 (50143756)
|
キーワード | ラオス / マラリア対策 / 熱帯熱マラリア原虫 / 三日熱マラリア原虫 / 薬剤耐性 / マラリア教育 |
研究概要 |
前年度の予備調査に基づいて、ラオス側との協議を行い、平成15年7-9月(雨季)にわたり、同国南部のサラバン県において本調査を行った。調査は、前年度に予備調査を行った3カ村を含む4カ村(2郡)で行い、熱帯熱マラリア患者に対する抗マラリア薬ファンシダールの生体内薬剤耐性試験、耐性遺伝子多型検出のための血液サンプルの採取、マラリア感染における免疫学的研究を行うための血清サンプルの採取を目的として実施された。総勢1,192人の住民に対し、ディップスティック法とギムザ法によってマラリア検査が実施され、併せて38人(3.2%)がマラリア原虫陽性と診断された。熱帯熱マラリア原虫陽性者のうち、試験基準に達した21人に対して、試験内容の説明およびファンシダールの投与が行われ、投与後28日間フォローされた。その結果、16人はファンシダール投与後、完全治癒したものの、5人は耐性と判断された。このことは、同国は周辺国に比べてファンシダール耐性熱帯熱マラリア原虫の出現頻度は未だ低いものの、今後使用頻度が高くなるにつれて、耐性の問題が大きくなるものと予想された。また、免疫学的研究においては、近年マラリア感染と自己抗体との関連が取りざたされていることから、流行地での感染者と非感染者間での保有状況を調査しているが、現在のところそれを示唆するデータは得られておらず、検討中である。一方、海外共同研究者の小林らにより、マラリア対策の一環としてのマラリア教育導入の効果を調査するため、高浸淫地域の同国北部シェンクアン県下の小学校において、マラリアに対する知識、態度、行動調査を行った。対象は学童とその母親であり、感染源についての知識は両グループとも乏しく、誤った知識を持つものが非常に多かった。マラリア教育導入後の効果については現在解析中である。
|