研究課題/領域番号 |
14406004
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
當眞 弘 琉球大学, 医学部, 助教授 (80231447)
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研究分担者 |
渡部 久実 琉球大学, 遺伝子実験センター, 教授 (50143756)
新川 武 琉球大学, 遺伝子実験センター, 助教授 (50305190)
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キーワード | ラオス / マラリア対策 / 熱帯熱マラリア原虫 / 薬剤耐性 / マラリア教育 |
研究概要 |
平成16年8-9月(雨季)にわたり、同国南部、カンボジア及びベトナムと国境を接するアタプー県において本調査を行った。調査は、ポンボン郡の5カ村で行い、熱帯熱マラリア患者に対する抗マラリア薬ファンシダールの生体内薬剤感受性試験、耐性遺伝子多型検出のための血液サンプルの採取、マラリア感染における免疫学的研究を行うための血清サンプルの採取を目的として実施された。総勢887人の受検者に対し、ディップスティック法とギムザ法によってマラリア検査が実施され、併せて164人(18.4%)がマラリア原虫陽性と診断された。熱帯熱マラリア原虫陽性者のうち、生体内薬剤感受性試験基準に達した20人に対して、試験内容の説明および抗マラリア薬メフロキンの投与が行われ、投与後28日間フォローされた。その結果、途中で対象から外れた3人を除く、17人すべてが完全治癒した。このことは、同地域ではメフロキン耐性熱帯熱マラリア原虫の存在の可能性は低いものと考えられ、また昨年調査した地域でもin vitro薬剤感受性試験において患者から得られた全ての分離株がメフロキンに対して感受性であったことから、同国ではクロロキン、ファンシダールに代わる選択薬としてメフロキンが十分に使用できるものと考えられた。また、免疫学的研究においては、近年マラリア感染と自己抗体との関連が取りざたされていることから、昨年同様、流行地での感染者と非感染者間での保有状況を調査しているが、現在のところそれを示唆するデータは得られていない。現在、さらに自己抗体レベル、マラリア重症度、サイトカイン産生、リンパ球サブセットの中での関連について解析中である。一方、海外共同研究者の小林らにより、マラリア対策の一環としてのマラリア教育導入の効果を調査するため、昨年同様、高浸淫地域の同国北部シェンクアン県下の小学校において、マラリアに対する知識、態度、行動調査を行っている。その結果については現在解析中である。
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