研究課題/領域番号 |
14406005
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
寄生虫学(含医用動物学)
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
木村 英作 愛知医科大学, 医学部, 教授 (70153187)
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研究分担者 |
平山 謙二 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (60189868)
伊藤 誠 愛知医科大学, 医学部, 助教授 (90137117)
高木 秀和 愛知医科大学, 医学部, 助手 (90288522)
磯貝 芳徳 日本福祉大学, 情報社会科学部, 教授 (60079697)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2005
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キーワード | フィラリア症 / 免疫診断 / 免疫グロブリンG4(IgG4) / 尿ELISA / バンクロフト糸状虫 |
研究概要 |
尿を検体とし、フィラリア特異的IgG4を検出する免疫診断法(尿ELISA :感度95.6%、特異性99・0%)を開発し、野外での有用性を検討した。 1.尿ELISAで流行の強さを知る 尿ELISAのメリットは小児の検査が容易なことである。小児は新しい感染を示すsentinel populationなので、彼等の検査によりフィラリア症伝搬の程度を知ることができると考えた。(なお、母体より移行したIgG4は、生後1年以内に陰性となる。)比較研究により、高度流行地(スリランカ)では、1才より陽性者が現れ、3才までには高い抗体価を示すことが観察された。低流行地(タイ)では10才前後に陽性者が現れ、高抗体価は20才以降に見られた。一方、流行が終息した地域(韓国)では40才以下に陽性者は見られなかった。 2.尿ELISAで集団治療の効果を判定する。またフィラリア症撲滅の確認をする スリランカ、デニヤヤ地方の学童を対象に、フィラリア治療の前後で尿中IgG4値の変動を調べた。治療後に陽性率の低下、陽性者の抗体価の減少が明確に認められた。さらに、撲滅が宣言された中国の2地域において小学生1万人以上を調べ、全員の陰性が確認された。 3.住民情報に基づいてフィラリア症の分布図を作成する 象皮病と陰嚢水腫の分布、頻度を地理情報システム(GIS)により解析した。これまでフィラリア症が無いとされていた地域でも多数の患者が報告された。そのような地域で尿ELISAによる調査を行い隠れた流行を確認した。 4.組換え蛋白を用いた尿診断法の改良 SXP-1蛋白、エンドキチナーゼなどを抗原とする診断法を開発した。前者は、実用化できそうである。 5.象皮病多発家系の遺伝子解析 現在進行中であり、興味深い結果が得られつつある。
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