研究課題/領域番号 |
14406011
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
城戸 照彦 金沢大学, 医学部, 教授 (20167373)
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研究分担者 |
織田 初江 金沢大学, 医学部, 講師 (10303281)
西条 旨子 金沢医科学, 医学部, 講師 (40198461)
中川 秀昭 金沢医科学, 医学部, 教授 (00097437)
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キーワード | ダイオキシン類 / ベトナム / 枯葉剤 / 環境汚染 / 疫学研究 / 国際研究者交流 |
研究概要 |
2002年5月18日より5月25日にかけて、ベトナム厚生省枯葉剤人体被害調査委員会(略称:10-80委員会)と共同で、「ベトナムにおけるダイオキシン類環境汚染30年後の生体影響に関する疫学的研究」の最初の調査を実施した。調査地区は、旧南北ベトナムの境界線である17度線の直ぐ南に位置するQuang Tri省の一枯葉剤汚染地区と、そこより北に車で3時間程の位置にあるHa Tinh省の一農村地区を対照とし、住民各4,000名程の健康状況調査を質問票にて実施した。質問内容は家族毎に過去および現在の健康状況と枯葉剤への暴露状況、栄養調査から構成されている。この結果については、現在ベトナム側で集計作業中である。 続いて、2002年9月22日より9月29日にかけて、5月と同様ベトナム側と共同で第二回の現地調査を実施した。本研究の目的の1つはダイオキシンの現在の暴露レベルを明らかにするために、環境試料(土、水、底泥、魚、家禽類、家畜等)と生体試料(血液・母乳等)を採取することである。もう1つの目的は、健康影響を明らかにするために、血清中の生化学指標(肝・腎・脂質・甲状腺機能)について検討することである。今回の調査では枯葉剤汚染地区と対照地区より各300名程の生体試料を採取し、日本に搬送することができた。 当研究グループでは最初に母乳中のダイオキシンの分析を始めた。測定条件を確立するために、約3ヶ月を要した。本年1月より、本格的な分析を開始し、一ヶ月に約10検体のペースで現在分析中である。生化学指標については、臨床検査機関に測定を依頼し、既に分析結果は得ている。今後、疫学調査成績と組み合わせて両地区の比較検討を実施する予定である。 次年度は、複数の要因を考慮すると、さらに検体数を増やす必要があると考えられるので、現地調査の実施に向けて現在ベトナム側と調整中である。
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